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日本在宅ケア・サミット2025 参加レポート! 最終更新日:2025/08/05

日本在宅ケア・サミット2025 参加レポート!
日本在宅ケアアライアンスの事業成果の共有を通じ、会員間の連携強化、情報交換、交流を図るとともに、在宅ケア推進のための更なる取り組みを考えていく「日本在宅ケア・サミット2025」が開催されました。「おもいを叶える在宅ケアー2025年に改めて考えるー」と題して、基調講演では、元厚労省局長・未来研究所臥龍代表理事の香取照幸氏が「2040年に向けて、在宅ケアの可能性を考える」をテーマに登壇し、2040年を見通して、今行う、意識改革・行動変容の重要性について語りました。また、5名によるシンポジウムでは、「おもいを叶える住まいと在宅ケア」をテーマにホスピス住宅や在宅医療・介護の現状と課題について議論され、参加者にとって大きな学びの場となりました。
基調講演
「2040年に向けて、在宅ケアの可能性を考える」
香取 照幸氏(元厚労省局長・未来研究所臥龍代表理事)が登壇し、「2040年に向けて、在宅ケアの可能性を考える」をテーマに講演を行った。
2040年に向けた在宅ケアの未来について、85歳以上の高齢者増加に伴う課題と在宅ニーズの高まりを指摘した。医療の強化やかかりつけ機能と在宅の連携、地域包括ケアネットワークの構築の重要性を強調し、ITや精神的支援の取り組みも必要と述べた。今後の課題と展望について示し、在宅ケア支援の具体策を検討する必要があると述べた。
香取照幸氏(元厚労省局長・未来研究所臥龍代表理事)
シンポジウム
「おもいを叶える住まいと在宅ケア」
座長:武田俊彦(JHHCA副理事長)、平原優美(JHHCA副理事長)のもと、シンポジストに市川 亨氏(共同通信社 特別報道室 編集委員)、鈴木 邦彦氏(日本在宅療養支援病院連絡協議会 会長)、北村 充氏(ナラビットHD 代表取締役/りんごのおうち 施設長)、阿部 智子氏(訪問看護ステーションけせら 総括所長)、松本 晴樹氏(厚生労働省 医政局 地域医療計画課 医療安全推進・医務指導室長)を迎え、「おもいを叶える住まいと在宅ケア」をテーマにシンポジウムを行った。
ホスピス型住宅の増加とその不正問題、訪問看護や医療制度の問題点、地域包括ケアの推進と地域連携の重要性が強調された。特に、制度の不備や過剰請求の防止策、質の高いサービス提供のための倫理と専門性の向上、地域住民との連携による地域包括ケアの推進が提案された。各事例を通じて、本人の意思尊重と自立支援の重要性が確認された。今後は制度の改善と地域の協力を基盤に、質の高い在宅医療・介護の実現を目指す必要があると締めくくった。
シンポジウムにて
参加して
今回の「日本在宅ケア・サミット2025」では、現場を支える方々の熱意と、2040年を見据えた確かなビジョンに触れることができました。基調講演やシンポジウムを通じて、制度面の課題だけでなく、地域のつながりや本人の意思を尊重する姿勢の大切さを改めて感じました。特に、現場の声と行政の視点が交わることで、より具体的な解決策や未来像が見えてきたのは大きな収穫です。 参加者それぞれが持ち帰った学びや気づきが、各地域での取り組みへとつながり、日本全国に質の高い在宅ケアの輪が広がっていくことを期待しています。私自身も、この貴重な機会を今後の活動に活かし、在宅ケアの未来づくりに一層取り組んでいきたいと思います。