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介護美容とは?心と暮らしを支える新しいケアのかたち|介護美容DAO運営・長内麻紀穂が解説 最終更新日:2026/01/24

介護美容とは?心と暮らしを支える新しいケアのかたち|介護美容DAO運営・長内麻紀穂が解説
「おうちde医療」がお届けする「選び方・はじめ方シリーズ」第3弾として、近年注目を集める 介護美容について詳しく解説します。介護美容は、ネイル・メイク・ケア美容などを通じて、高齢者や要介護者の心身の活力や生活の質(QOL)向上を支える新しい支援のかたちです。
現場経験豊富な長内麻紀穂介護美容セラピストの監修のもと、介護美容でできること、サービスの選び方、始め方、導入時の注意点までを丁寧に整理。在宅療養中のご本人はもちろん、ご家族や支援者にとっても実践的な内容をお届けします。
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介護美容とは?基本のサービス内容と役割

介護美容とは何か

介護美容とは、高齢者や身体に不自由がある方々に対し、美容の技術を用いて心身両面をサポートするサービスです。
単に見た目を美しくするだけでなく、美容や整容を通して、生活の質(QOL)や日常生活動作(ADL)の向上を目指します。
※今回の記事では、美容師が行う「訪問美容」サービスについてはあまり触れません
介護美容とは何か

介護美容が求められる社会的背景

日本では高齢化が急速に進み、2040年には65歳以上の人口が全体の約35%に達すると予測されています。これにより、介護サービスを必要とする高齢者が増加しており、単なる身体的なケアだけでなく、心のケアまで含めた支援が求められるようになりました。
介護美容は、「いつまでも自分らしく美しくありたい」という高齢者の願いに応えるとともに、介護施設におけるサービスの差別化や質の向上にも繋がるため、その需要は年々高まっています。

介護美容がもたらす心身への効果とは?メリットを徹底解説

介護美容は、見た目を整えること以上の多岐にわたる効果が期待できます。

心理面へのポジティブな影響

見た目をきれいにすることで、自信や幸福感が高まり、不安やマイナスな感情が軽減される効果が期待できます。また、自分に興味を持つきっかけとなり、外出や人との交流への意欲向上にもつながります。
【介護美容セラピスト監修】介護美容の選び方・はじめ方|費用の目安を徹底紹介

身体機能やリハビリ効果

スキンケア、ネイルケアといった動作を自身で行うことは、身体機能の維持や回復に役立ちます。特に、メイクには、食事時と比較して約2~3倍の上肢の筋力が必要になるとされており、リハビリの一環としても効果が期待されています(美容師法の観点から、介護美容ではあくまでも”メイクサポート”として実施)。

コミュニケーションの活性化

美容ケアを受けることで、周囲から「きれいになったね」「素敵だね」といった声が増え、コミュニケーションの機会が自然と増えます。これにより、高齢者の社会的孤立を防ぎ、人とのつながりを強化する効果が期待できます。また、施術中の会話は脳への良い刺激となり、認知機能の維持や改善にもつながる可能性があります。

介護美容サービスの主な種類と特徴(内容別ガイド)

介護美容では、利用者の状況や希望に応じて、様々な美容サービスが提供されます。

ハンドケア

ハンドケアは、手や指のトリートメントやセルフマッサージを通じて、血行促進やリラックス効果を促します。肌と肌が触れ合うことで安心感が生まれ、コミュニケーションのきっかけにもなります。高齢者の乾燥しがちな皮膚を保湿することで、かゆみや肌荒れ、怪我の予防も目的とします。

ネイルケア

ネイルケアは、爪の長さを整えたり、マニキュアで色をつけたりするサービスです。爪を清潔に保つことは感染症予防にもつながり、指先が彩られることで前向きな気持ちになる効果が期待されます。関節の拘縮や麻痺がある方でもサービスを受けられます。

フットケア

フットケアは、足のむくみや冷えの改善、足裏のアーチ崩れ予防に効果的です。アロマオイルを使用したトリートメントは、血行促進やリラックス効果が期待できます。足のお手入れは、歩行機能の維持・転倒予防にもつながるため、高齢者のフットケアは、非常に重要です。
フットケア

メイクサポート

メイクサポートは、高齢者の肌の特徴を考慮し、低刺激で安全性の高い化粧品が使用されます。手軽なポイントメイクから、特別な日のフルメイク(※)まで、幅広い対応が可能です。「セルフメイク講座」などのレクリエーション企画では、自分でもできる簡単なメイク方法をお伝えします。
介護美容DAOでは、美容免許を取得した介護美容セラピストが実施
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介護美容サービスの利用方法・受け方と手順

介護美容サービスは、利用者の状況に合わせて様々な場所で提供されています。

サービス提供場所(自宅・介護施設など)

介護美容は、主に利用者の自宅や入居型施設・デイサービスなどの介護施設で提供されます。理美容師が訪問して散髪などを行う「訪問理美容」もありますが、介護美容とは領域が異なるサービスです(介護施設によっては、理美容専門の部屋が用意されているところもあります)。

利用までの基本フロー

自宅で介護美容を検討している場合は、まずケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみましょう。施設でサービスを受けたい場合は、事前に家族や施設スタッフに希望を伝えてみましょう。

依頼先の探し方と相談窓口

介護美容サービスを提供している事業者は全国各地に存在します。インターネットで「介護美容×○○(エリア名)」と検索したり、地域の高齢者向け支援窓口に問い合わせたりすることで、依頼先を見つけることができます。

サービス提供者の資格や研修 どんな人がサービス提供しているの?

2025年現在、介護美容資格を取得できるスクール・協会が全国で増えています。長期間通学し網羅的な知識を学べるスクール・短期間で一部の専門的なサービスを習得するスクールなどさまざまあります。
介護美容に固有の国家資格はありませんが、民間スクールや協会等で資格取得することは、高齢者や介護に関する専門的な知識と技術を習得していることの証明になります。実際にサービス提供するセラピストが、医療・介護・福祉系資格を保有しているかどうかと併せて、選択のポイントとなるでしょう。
介護美容

介護美容の 費用相場と料金体系(実例つき)

介護美容サービスの利用は、介護保険外の自費サービスとなります。提供するセラピストに応じて、価格・サービス内容は異なります。
インターネットやSNSで地域の気になるセラピストを見つけたら、直接問い合わせてみることをお勧めします。参考までに、各メニューについておおよその価格を紹介します(詳細は、直接問い合わせください)。

エステ(フェイシャルエステ・フットエステ・ハンドエステ)

4,000〜6,000円
ベッドに横になったままの姿勢でも可能です。お部屋の間取りや家具の配置などに対応できます。
持病などによっては、施術を受けられないこともあります。初回には、病歴の聞き取りなどもあるので、まとめておくとよいでしょう。

ネイルケア

3,000〜4,000円
やすりを用いた爪の長さの調整やネイルカラーを使って爪に彩を添えます。時間内であれば、手足とも施術を受けることができます。高齢者の急な体調不良などに備えて、アルコールやぬるま湯で除去可能な「水性ネイル」を選択可能です。
但し、爪の状態によっては、サービスを受けられないこともあります。初回は、聞き取りを含めた爪・手の観察から始めます。
ネイルケア

フットケア

3,000〜5,000円
病歴や生活習慣などをしっかり聞きとって、ケアに繋げます。セラピストにもよりますが、巻き爪への対応が可能なこともあります。生活習慣や病歴で、施術の内容が変わることがあります 。

メイクサポート

ポイントメイク 1,000円~2,000円
フルメイク 3,000円~5,000円
メイクと写真撮影サービスを組み合わせて提供していることもあります。その場合、撮影費用が別途発生します。
ご本人様や家族様の希望に沿うのはもちろんのこと、介護美容のセラピストは、加齢による肌の変化を理解しており、難聴や言葉の理解が難しい方などへの対応も可能です。認知機能が低下している方への経験などが豊富なセラピストが安心です。

よくある追加費用や注意点

施術費用に出張費が含まれているかどうかは、確認が必要です。交通費などを実費で支払う必要があることもあります。特に、遠方への出張を依頼する場合は注意しましょう。その他、駐車代金や、キャンセル料についても、確認をしましょう。

保険・助成制度の有無

介護美容は、保険適用されません。全額実費となります。
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介護美容サービスを選ぶにあたってのポイント

信頼できる介護美容サービスを選ぶために、いくつかのポイントを押さえておきましょう。

信頼できる業者・美容師の見極め方

・利用者の状態に合わせた柔軟な対応が可能か
衛生管理が徹底されているか
・事前のカウンセリングが丁寧で、利用者の希望をしっかり聞いてくれるか
・料金体系が明確で、キャンセル料、交通費など追加費用の説明も十分か
医療・介護・福祉分野の知識と経験があるか

利用時に家族が確認すべきポイント

・サービスの提供場所や時間帯は、利用者の生活リズムに合っているか
・アレルギーや持病など、利用者の健康状態に関する情報を事前に伝えているか
・サービス内容や料金について、疑問点がないか事前に確認する
・施術中の介助が必要な場合、家族が協力できるか、または追加のサポートがあるか
サービスや提供者選びのポイント

日常生活で実践できる介護美容ケアの方法

専門的なサービスだけでなく、日常生活の中でも介護美容のケアを取り入れることができます。

家庭でできる簡単ケア

・スキンケア:朝晩の洗顔と保湿。敏感肌用の低刺激な化粧水や乳液を選び、優しく肌に触れましょう。
・ヘアケア:柔らかいブラシで頭皮を傷つけないようにブラッシングし、血行を促進します。
・手足のケア:ハンドクリームやトリートメントオイルで手のひらや指を優しくほぐし、乾燥を防ぎます。爪は定期的に切り、清潔に保ちましょう。
・簡単なメイク:保湿効果のあるリップクリームや、顔色が明るく見えるチークを軽くつけるだけでも表情が豊かになります。

おすすめのケアグッズ・アイテム

・爪切り:ご自身で使いやすいものを選びましょう。
・低刺激のスキンケア用品:高齢者のデリケートな肌に適した、保湿力の高い製品を選びましょう。
・伸縮性のある介護衣類:「着替えにくいから、できない」の思いを避けて「できる」を引き出します。
・ヘッドレスト付きの車いす:安定した姿勢で美容ケアを受けられるため、長時間の施術でも負担を軽減できます。

習慣化のコツ・無理なく続ける工夫

・毎日決まった時間に行うなど、ルーティンに組み込む。
・本人の好きな香りや色を取り入れるなど、楽しみながら行える工夫をする。
・家族と一緒に美容タイムを設け、コミュニケーションを深める。
・小さな変化でも褒め、ポジティブな言葉をかけることで、本人の意欲を高める。

介護美容のまとめ

介護美容で毎日に笑顔を

介護美容は、見た目を整えるだけでなく、高齢者の心身の健康を支え、日々の生活に彩りを与える重要なサービスです。表情が豊かになり、人との交流が活発になるなど、多くのポジティブな変化が期待できます。
自分らしく美しくありたいという気持ちは、年齢に関わらず誰もが持つ大切な願いであり、介護美容はその願いを叶える手助けとなります。
介護美容で毎日に笑顔を

サービス活用のアドバイス

まずはお住まいの地域のサービス提供者について情報収集することから始めましょう。利用者の状態や希望に合わせたサービス内容、料金体系、そして提供者の資格や経験をしっかりと確認し、信頼できるサービスを選ぶことが大切です。
家庭で手軽にできるケアも取り入れながら、無理なく継続することで、介護を受ける方の日々に笑顔と活力を届けることができるでしょう。
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この記事を監修した介護美容セラピスト


長内麻紀穂(おさないまきほ)
長内麻紀穂 ❏介護美容DAO 運営・ ❏介護美容まき家 代表)
経歴:
2016年 千葉県の広告会社へ入社。
2022年 介護×美容スクール「介護美容研究所」卒業、介護士資格 取得、「介護美容まき家」開業。
2023年 日本最大級の介護美容コミュニティ「介護美容DAO」運営メンバーに加入。
2025年 神奈川県・東京都内の介護施設・個人宅へ出張。福祉企業や行政とのコラボイベント、高校・大学での講演活動等。
保有資格:
介護美容資格
介護職員初任者研修
福祉爪ケア専門士2級

介護美容の選び方・はじめ方に関するFAQ

Q1. 介護美容とはどのようなサービスですか?
A.  介護美容とは、ネイルケアやハンドケア、メイク、スキンケアなどの美容行為を通じて、高齢者の心身の健康や生活の質(QOL)を高めるケアサービスです。単なる美容目的ではなく、気分の向上や意欲の回復、コミュニケーションの活性化などを目的として行われます。
Q2. 介護美容はどのような人が利用できますか?
A.  介護美容は、在宅で介護を受けている方や高齢者施設を利用している方を中心に、年齢や要介護度を問わず利用できます。身体状況や認知症の有無に配慮しながら、その人に合った無理のない施術が行われるのが特徴です。
Q3. 介護美容サービスの選び方で重要なポイントは何ですか?
A.  介護美容を選ぶ際は、①高齢者や介護現場への理解があるか、②施術内容や対応範囲が明確か、③体調変化への配慮や安全面の説明があるか、④費用体系がわかりやすいか、といった点を確認することが大切です。事前相談ができるサービスを選ぶと安心です。
Q4. 介護美容をはじめるには、どのような手順が必要ですか?
A.  まずは本人や家族の希望を整理し、どのような美容ケアを受けたいかを明確にします。そのうえで、訪問型や施設対応など利用形態を確認し、サービス提供者へ相談します。体調や既往歴を共有したうえで、無理のない内容から始めるのが一般的です。
Q5. 介護美容を行う人には資格が必要ですか?
A.  介護美容に関わるために必須の国家資格はありませんが、美容に関する資格や介護分野の知識を持つことが望ましいとされています。特に高齢者対応では、安全配慮やコミュニケーション力が重要で、専門的な研修や民間資格を活用して知識と技術を身につける人が増えています。
Q6.介護美容の費用はどれくらいかかりますか?
A. 介護美容の費用は、施術内容や時間、訪問の有無によって異なりますが、1回あたり数千円程度が目安です。介護保険は原則適用されないため、自費サービスとして事前に料金を確認することが重要です。
Q7.介護美容はどのくらいの頻度で受けるのが適切ですか?
A. 頻度に決まりはなく、本人の体調や希望に合わせて調整します。月1回程度から始め、気分転換や生活リズムづくりとして定期的に取り入れるケースもあります。無理なく継続できる頻度を選ぶことが大切です。

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