河野礼子(リハサロン祖師谷)|世田谷区で認知症ケアと外出支援リハビリを実践するデイサービスの挑戦 最終更新日:2026/02/28

世田谷区祖師谷でリハビリ型デイサービス「リハサロン祖師谷」を率いる河野礼子施設長。大企業勤務を経て介護の現場へ飛び込み、認知症ケアのあり方に疑問を抱いたことが、現在の取り組みの原点となりました。外出支援リハビリや“スローショッピング”といった独自の実践は、「できないこと」ではなく「やりたいこと」に焦点を当てる支援です。デイサービスの枠を超え、街全体をリハビリの場に変える挑戦。その背景にある河野礼子の想いと哲学を紐解きます。
大企業から介護の最前線へ。「認知症ケア」と「本人希望のリハビリ」を見つけた現場の矛盾
— 河野さんのこれまでの歩みを教えてください。
私の原点は、小児喘息と向き合い、自宅で静かに過ごした幼少期にあります。自由に出歩けなかった分、本の世界や庭での空想が豊かな想像力を育んでくれました。
当時、心の中には「なりたい自分」が数多くありましたが、保守的な家庭環境もあり、家族の望む道とは距離がありました。看護師、獣医、女優……。ことあるごとに反対されましたが、根底にある「命を支える現場への憧れ」や、相手に合わせて自分を演じ分ける現在の看護職のスタイルには、当時の純粋な思いが形を変えて生きていると感じます。

— 社会人時代は、現在とは異なる商社で働かれていたそうですね。
両親の願いに寄り添うように短大へ進み、卒業後はバブル景気に沸く商社で約7年間、事務職として働きました。
当時はいわゆる「寿退社」が当たり前の時代。人事の中で社会保険や税の手続きをする中で、弁護士だった祖父の影響もあり「制度は解釈次第で人を救える」と考えていた私は、制度の解釈を探り、「できません」と即答せず、内規を提案してでも希望を叶えようとする少し変わった社員でした。この「解決策を諦めずに提案する姿勢」は、今の活動の礎になっています。

— その後、リハビリや介護の重要性を痛感する決定的な出来事があったとか。
社会人4年目に遭った交通事故です。嫁入り前の適齢期に「一生歩けないかもしれない」という瀬戸際に立たされ、「リハビリをしないと歩けなくなる」と専門職から急かされ、歩けない自分を否定されたのが耐えられませんでした。患者の立場になると、当たり前の言葉さえ強い拒絶反応に変わるんです。「あなたのリハビリは受けたくない」と転院を選んだこの経験が、現在の「本人希望のリハビリ」という哲学の原点になりました。
その後、結婚退職し、3人の育児をしながら子供の喘息による入退院への付き添い、さらに義母の在宅介護を同時に担う日々を15年過ごしました。人生の大半を「家族」として病院の現場で過ごしてきたからこそ、医療や介護の矛盾には誰よりも敏感でした。専門職の知らない「領域外」の苦悩を見続けてきた経験が、私を突き動かす原動力となっています。
世田谷区で実現した「行きたくない人」のためのデイサービス — リハビリ型デイサービス リハサロン祖師谷の特徴
— 「専門家よりも現場を知る家族」だった河野さんが、ご自身で施設を立ち上げるに至った決定打は何だったのでしょうか?
15年以上心原性脳梗塞後の義母の一人暮らしを近くに家を買ってまで見守りましたが、心疾患からの入退院の繰り返しと、認知症と失語症への介護に振り回され、本当に限界を感じていました。病状が進む度に介護に呼ばれ、関わると生活が整い戻る、その終わりのないループに「もっと適切にコントロールすれば、QOLはもっと上がるはず」「介護しなくて済むのに」というもどかしさがあったんです。
認知症の義母からは、「覚えていないから感謝はできない」と、長年言われ続けていましたが、ある日「あなたは良くしてくれるけど、プロじゃないからね」という言葉をかけられました。プロのサービスを拒否され、長年寄り添ってきた私にとって、その一言は自分自身のあり方を見つめ直す大きなきっかけになりました。
「家族としての経験に、確かな専門知識を掛け合わせることで、義母から感謝や満足の言葉をもらいたい」その願いが、私をプロの道へと突き動かしました。ケアマネジャーがサービスを入れても断るため、ケアマネジャーに変わりサービスを提案して生活を整え続けた家族介護の経験を、専門職としての確信に変えて世の中に伝えていきたい。その思いが、施設開設の原動力にもなりました。
本音は頑張っても義母には忘れられ、全否定されるので、「あなたの介護は正しい」と誰かに評価して欲しかったのです。夫へは、義母の介護を続ける交換条件としてデイサービス開業を提案しました。3人も子供がいる嫁として介護を放棄すれば、施設入所になると思いますが、本人は頑なに入所を拒否し、一人っ子の夫は義母の「一人で暮らせる!」を尊重したいと希望したため、施設の開業が決まりました。
夫と母の叔母に相談し、叔母には建物の新築、夫にはデイサービスの運営費の支援を依頼し、2016年「少子高齢社会の日本のために理想の介護を実装したい」と、世田谷区にリハサロン祖師谷を新築オープンしました。オープンと同時に第四子も出産し、産休なく施設をスタートしてから10年目です。
義母は、看取りまで19年介護しましたが、デイサービスには行かず、認知症があっても一人暮らしを続けることができましたが、義母は退院後にデイサービスをすぐに辞め気力体力共に落ちてしまいました。そのため、退院後に意欲的にリハビリを生活に取り入れて頂き、住み慣れた地域でもっと活動的に過ごして頂きたくことを目指しています。開設へ協力してくれた叔母は、コロナ禍に入院し、廃用性症候群から看取りのため家に迎えましたが、朝晩の生活リハビリが功を奏し、自分で食事を摂りシャワー浴できるまで回復し、98歳で天寿を全うしてくれました。

— デイサービスの内容について、教えてください。
私たちが提供しているのは、単なる機能訓練のメニューではなく、その人本来が持っている力をどれだけ発揮してもらえるかという「関わり」そのものです。支援者の役割とは、先入観で「これはできない」と否定的に評価することではなく、ご本人の未来への希望と可能性を信じて伴走することだと考えています。
大切にしているのは、リハビリを「目的」にしないことです。「リハビリは大変で少しきついけれど、効果がある。来ると楽しい」と思えるような絶妙なバランス。支援する側とされる側という垣根を取り払い、常にご本人様を中心に据えて、お互いが「今日も一緒に過ごせてよかった」と思えるような、心地よい「場」を整えることに注力しています。送迎のお見送りの際に、笑顔で手を振り続けてくださる姿を拝見する度、大変ありがたくこの仕事をして良かったと毎回思います。

— デイサービスには「絶対に行きたくない」という方が集まるとお聞きしました。
はい、ここは「デイサービスなんて高齢者が保育園みたいに手遊びや歌を歌わされる場所だから行きたくない」と嫌悪感を持っている方にとって「行っても良い」場所です。
リハサロン祖師谷では、東京都健康長寿医療センターの運動理論の搭載されたコンピュータ管理のマシンを導入しました。あえて人間味を削ぎ落とした「マシンによる数値化」が、プライドの高い方や男性の利用者様には「リハビリ」効果を可視化でき、受け入れられやすかったようです。世田谷区という土地柄もあり、意識の高い方向けに専門性を高めました。

— 他の施設には「通所を拒否される」「扱いづらい」と言われる方が変わっていくエピソードがあるそうですね。
よくあります。義母がそういう対象でしたので、他の施設では敬遠される方向けにトライアルした施設です。ケアマネジャー様からも最後の砦として、施設へ入所する前にダメ元でとお願いされます。最初は「なんでここに連れてきた!」と怒る方も少なくありません。他所では双方お断りの状態でも、徹底して「その方の尊厳」に寄り添い、本人の思いを聞き続け、本人の思いを丁寧に解きほぐすと、本人の表情や言動が変わるんです。
困っていた家族やスタッフも「本人の優しい思いやりや、日々の苦しみ」に気づき、これまでの評価を覆す瞬間も見てきました。問題を起こして噛み合わない会話が続き、介護する側は怒られないようにとビクビクし、本人もわかってもらえずイライラしている状態を私は直接本人から聴くだけなんです。
初対面の際には、本人へ面談の時間を作って頂いた感謝を伝え、安心できる関係を作ることを意識しています。よく「怒っている」と受け手は感じますが、「正しさを主張されている」結果ですし、悪いと思えば、お詫びします。お詫びした結果、譲れない点は、納得頂けるまでくり返し説明します。心がこもっていない表面上の言葉や態度は逆効果で怒らせてしまいますので、プロの女優に徹するか、対話方法を技術として学んで頂きたいと思っています。
「認知症だから分からないだろう」という先入観や放置はしません。通所のきっかけを作ってくださるご家族の思いも大切にしますが、対話を重ねてご本人の意思を尊重し、希望を叶えるために試行錯誤しています。大学院で研究した「尊厳の保持」が改善をつなぐ点を実装しているからこそ、こうした変化をつなぐ可能性を自信を持ってお伝えしています。

— 立ち上げ当初は、スタッフの定着に苦労されたそうですね。
最初の数年は、子連れ出勤の介護職未経験の私は、「現場を知らない」と職員から言われたこともあり、スタッフに従っていました。管理できないため、スタッフの入れ替わりも激しくスタッフの欠勤カバーのためにペーパードライバーでしたが、送迎業務もスタートしました。
介護職の中には、自分の思い通りに利用者様をコントロールしようとしたり、気に入らない新人を辞めさせたりする負の側面があることも分かりました。どの職員も利用者様からの信頼は厚く好かれていますが、現場で大切にしたいのは、認知症の方の尊厳を何よりも優先することです。しかし、その基準を徹底しようとすると、施設での現場経験あるスタッフの接遇を改めてもらう必要がありました。改善をお願いすると即退職されがちなのですが、当日欠勤等は許容できても、理念は譲れないため時には厳しい局面もありました。
常勤の社員4名が一斉に退職した時に、利用者様の信頼が厚くても生活を切り捨てる決断に驚きましたが、来るもの拒まずパートも多めに採用していたため運営継続できました。その経験からは、「利用者様の生活をより良く支えるために、スタッフの生活も大切に協力してくださる方と一緒に歩んでいきたい」という姿勢を明確に打ち出し、ようやく理想とするケアの土壌を整えることができました。

— 現在はどのようなスタッフを求めているのでしょうか?
できることなら、介護中の方にもスタッフになっていただきたいです。私は義母の在宅看取りまで19年介護しましたが、キャリアには含まれず、国家資格の介護福祉士を受けるために開業後から現場経験のカウントがスタートしました。家族介護は孤独な面もありますので、スポットワークでも介護職として働き経験にして頂きたいです。
経験のある医療介護職の方には、今の現場で「こんなはずじゃなかった」「本当のケアって何だろう」と理想と現実の間で悩み、もやもやしている方にぜひ来ていただきたいです。真面目に働けば働くほど、組織のルールや効率化の波に押され、理想から遠ざかっていく現場は少なくありません。そうした違和感を抱えている人と、一緒に「ホンモノの理想のケア」を実現したいんです。
大切にしているのは、単に「業務」を時間通りこなすことではなく、一人の人間としてご本人の尊厳を大切に生活へどう関わるかという「本人の希望」を尊重し続ける姿勢です。ユマニチュードケアや科学的支援記録F-SOAIP(エフソアイピー)を学び、国際医療福祉大学大学院修士論文で『「本人の希望」と「家族・支援者の困りごと」の乖離を「見える化」する試み~本人の「できる」を引き出す支援方法を見いだすためのF-SOAIPバージョンアップの提案~』を発表しました。

それぞれの思いを大切に改善をつなぐケアコミュニケーションで、現場の困りごとを一緒に解決を目指して頂けるスタッフの応募をお待ちしています。
例えば、認知症の診断ある方が「外出して買い物をしたい」と言ったとき、ご家族から「無駄遣いをさせたくない」と反対されることがあります。そこで「ご家族が反対だから」と諦めるのではなく、ご本人の「自分で選び、自分のお金で買う」という当たり前の権利を尊重するためにご家族の側にも立って信頼関係を築いて欲しいです。介護も頑張り忙しいご家族のために「季節の変わり目に下着や靴下とか、ご本人に選んでもらう買う物がありますか?予算内で選んで頂きます。」と提案をあきらめないでいて欲しい。こうした私の「こだわり」を、面倒だと思わず家族もワンチームに巻き込み共に暮らすための作戦へ面白みを感じてくれる仲間が必要です。

— 実際に、どのようなメンバーが働いているのですか?
スタッフは本当に多様です。
令和7年度の介護WITH事業所に選定頂き、介護をしながらパン屋を開業する夢を叶えた育児も介護も頑張る管理栄養士。70歳のスタッフ。65歳を過ぎてから契約社員として働いて頂きましたが、利用者様からの信頼が厚いため「ずっと働き続けてほしい」という私の思いから、国家資格である介護福祉士の取得にも挑戦してもらいました。専門職では、歯科医師、看護師、歯科衛生士、柔道整復師・はり師・灸師、ミュージシャン・アーティスト、学芸員。事業所内で実務者研修の受講機会も作り、介護福祉士の資格取得を応援しています。
一方で介護の資格はなくても送迎や体操などなんでも任せられる現場のプロフェッショナル。利用者様の近くで楽しんで頂く仕事が大好きと、いつも利用者様のために考え、責任感を持ち支えてくれるスタッフ。ダブルワークやボランティアの方の協力もあります。資格の有無よりも、リハサロン祖師谷の理念を大切にしてくれる「個々の能力や意欲」を尊重しています。
体調や家庭の事情で急な欠勤や数ヶ月お休みすることもありますが、だれもが現場には欠かせない大切な存在です。私自身がダブルケアで予定が入れにくかったので、いつでも休める環境を整え、利用者様よりスタッフの多い日もしばしばです。
また、研究熱心なスタッフの協力もあり、現場での気づきや実践を学会で発表したり、大学院での研究内容を実践として検証も続けています。「尊厳を守ることが、結果として本人の状態の改善に繋がる」ということを、単なる精神論ではなくデータや理論として証明していく。そんな、プロフェッショナルとしての「現場の力」を信じ社会改革を目指すワンチームでありたいと思っています。様々な領域の研究者の方にも、ぜひ働きながら一緒に研究して頂きたいです。

デイサービスの壁を壊す — 外出支援リハビリ × スローショッピングで街全体をリハビリの場に
— リハサロンの建物内だけでなく、外での活動に非常に力を入れているそうですね。
その通りです。「デイサービスのハコの中」だけに閉じ込めていては、本当の意味での自立は果たせません。私が今、最も情熱を注いでいるのが2021年から続けている「外出リハビリ」です。通常のデイサービスは、ケアマネジャーのプランに基づいて施設内で過ごすことが基本ですが、あえて「外出リハビリ」というカテゴリーを設けることで、積極的に街へ出る仕組みを作っています。世田谷区という豊かな地域資源を、そのままリハビリと社会参加へのステージにしているんです。認知症の予防や改善効果を高めるためにも外につながる機会を大切にしています。
— 「スローショッピング」という活動について詳しく教えてください。
これは厚労省と経産省の事業とも連携しているプロジェクトです。周囲の流れについていけないと、一人で買い物に行くのが怖くなる。セルフレジの使い方がわからない、注文の仕方が思い出せない、あるいはお金の管理に自信がなくて詐欺を恐れ、引きこもってしまう。それを「一緒なら行ける、安心できる」という環境に変える取り組みです。地域の商店街やスーパー・コンビニ・ドラッグストアなど様々な企業と提携し、生活を支えるお買い物を続けられる環境を整えたいと思っています。買い物は、誰かと触れ合う社会参加の入り口ですから。

— 具体的にはどのような「練習」をされているのですか?
スマホやタブレット端末の操作をデイサービス内で練習します。電車で切符を買う練習や、セルフレジでの買い物もすべてリハビリとして、その方の生活に必要なパターンを考え提案しています。デイサービスへ「東京都スマホサポーター」の訪問をお願いして、スマホの使い方のレクチャーをマンツーマンで対応して頂いています。
ご家族が忙しくて「こんなこと何度も聞けない」と本人が遠慮してしまうような些細なこと、例えばアラームの設定の仕方、写真の撮り方、LINEの使い方などもスタッフが説明しますし、中学生から大学院生、社会人やシニアボランティアの方にも来て頂いています。 練習を通してだれかにお願いできる関係性や心の壁を壊して頂きたいと思っています。「使えない」とあきらめがちですが、「使いたい」と思えるように練習や使いたくなる機会を増やしています。
— お買い物に同行した際、利用者さんにはどのような変化が見られますか?
たまにしか行けないと、ものすごくたくさん買われる方もいます(笑)。食べ物だけじゃなく、衣類や雑貨まで。「車で送ってもらえるから、重い物を買う」と計画的な発言も頂きます。自分で選んで、自分のお金で買う。この「権利の再獲得」がどれほど人を元気にするか。動けるうちに食べれるうちに行きたい場所へ遠慮しないで行く。この「当たり前」を世田谷区の地域の優しいシステムとして定着させたいんです。こうした現場の変化に立ち会えることは、スタッフにとっても大きな刺激になっています。
「お買い物に連れて行ってくれて、ありがとう。」「次は一緒にご飯を食べたい。」など、日頃無口な方からも、感謝の思いを伝えてくださったり、次回のリクエストを頂くのは励みになります。デイサービス内の活動として時間的な制約もある中でのお買い物支援のため、もっと自由に外出したいとご要望も頂いています。みなさま誇り高く、迷惑をかけないようにと遠慮されるので今後は、有償福祉運送や自費のプライベートサービスとして柔軟にご依頼をお受けできますとお伝えすると、ご安心頂けました。
— 河野さんが考える「真のリハビリ」とは何でしょうか?
ただ筋肉を鍛えることではなく、「希望を叶えるために必要な努力すること」です。デイサービスは、誰かの目的や思いから通所を目指す場です。疾患を抱えたり、認知症と診断されても、生活は続きます。できなくなったとあきらめずに、「続けたい生活」を叶えるためにリハビリが必要になります。体調や気持ちが落ち自信をなくしているときに出会うからこそ、ご本人の生活歴を大切に、社会との接点を極限まで模索して意欲を引き出し生活の維持を目指します。元気になった時に行く場所がないと、デイサービスに来ることだけが楽しみになってしまいますが、それは嫌なんです。もっと外に出て、出会った場所で輪が広がる。あきらめかけた生活を取り戻し、今までよりも豊かな「繋がりの再構築」こそが、私の目指すリハビリです。
介護の枠を超えて — 世田谷区でつなぐ多世代共生社会と移動支援の取り組み
— 河野さんが今後、介護の枠を超えて目指している「里親」への想いについて聞かせてください。
実は私、根本的に赤ちゃんが大好きなんです。かつて修道女になりたかった理由の一つも病床で読んでいた本の中のように「修道院に行けば子供を拾える、育てられる」という想いからでした。子供たちの成長後は社会的養護が必要な子供たちのお役に立ちたかったんです。ですが、10年以上前に夫に話をしたら、現実的な観点から「理想だけでは解決できない責任の重さがあるのではないか」と、かなり慎重な姿勢を見せられ、それで里親にストップがかかったこともあり10年ぶりに4人目を出産しました。私の子育てが心配なら「看護師免許も取っておこう、そうすれば子供が病気の時でもしっかり面倒が見られるプロになれるから」と、資格取得の後押しになりました。

— 保育園の立ち上げにも挑戦されているとお聞きしました。
はい、実は過去2年、子育てひろばの助成金を求めて申請しましたが「実績がないから」とスタッフは看護師で新築のバリアフリー基準の建物でも落とされてしまいました。保育園は制約も厳しいため、それなら「高齢者介護の事業所経験ある立場から保育に繋げていく」という逆転の発想で進もうと今は考えています。認知症改善につながる生活リハビリとして、子供たちの成長を同じ場所で見守り命を繋いでいきたいです。例えば、一人暮らしの方も高齢世帯の方もが里親家庭の仲間として一緒に見守れるような、「みんなのおうち」としての新しい家族の形を作りたいんです。 准看護師学校の同期には、働きながら学ぶシングルマザーも多く、家庭的な預かりの場所がもっと地域に必要と思った経験も大きいです。
— 「移動支援」についてはどう取り組まれますか?
利用者様に「リハビリした先にどこへ行きたいですか?」と聞いても、行く場所や手段がないと、デイサービスや病院だけが外出先になってしまいます。私は同行支援のドライバーも務めますが、私一人でやるのではなく、地域や街を超えて動ける仕組みを作り、「今楽しめること」まだまだ楽しみ続ける可能性を広げるために自由度の高い移動支援を考えています。ひとりひとりの希望を繋ぐ移動ネットワークは、必要不可欠です。
— そうした多方面にわたる情熱は、どこから湧いてくるのでしょうか?
実はこのリハサロンの土地は、亡くなった叔父の持ち物でした。母方の叔父は「保護司」をしていました。母方の祖父は、出所した仕事のない方を離れに住まわせ、仕事も作っていたルーツがあります。小さい頃に出会っていた刑期を終えた方々とは挨拶程度の出会いでしたが、笑顔で会話をしていた印象があります。私はその家族の歴史を遺伝子の記憶の一つとして「継ぎたい」と使命感を持っているんです。介護にしろ、育児にしろ、誰かがリスクを感じて「不安」から足踏みするなら、まず動いてみる。未経験ではありますが、今は専門職である私が行動を起こし、私の信じる「正しさ」を実践する毎日です。

認知症は「成長発達の最先端」 — 尊厳を守るケアと希望ある生き方へのアプローチ
— 河野さんが、認知症の利用者さんやそのご家族に向き合う際のポリシーを教えてください。
私のポリシーは、幼少期にNHKで放送されていた「セサミストリート」や「いないいないばあっ!」のような子供向けの番組と同じです。年齢も認知症の有無も関係なく、その人本来が持つ力を信じて一緒に楽しめるか。先入観を持たずに思いを伝え合い、分かり合えるまで努力し続けるのが私たち支援者の役割だと考えています。もし、「何もできない」と思い込んでしまったら、その時点でその人の希望も確認はできません。診断名や過去の情報は参考にしますが、必ず本人に問う関わりを大切にしています。「できる」への「希望」を見逃さないよう、「なにができるか?」反応を探り続けています。
— ご家族の中には、日々の介護で精神的に行き詰まっている方も多いのではないでしょうか?
そうですね。一番伝えたいのは、「嫌々、嫌な介護はしないでほしい」ということです。家族だけで抱え込んで、お互いに辛い思いをするくらいなら、一度その手を離して欲しいです。「他に面倒を見る人がいない」と自分でも思っていました。「無理」と一旦放棄して介護者自身を守って欲しいと思います。プロである専門職の私たちに預けてください。ケアマネジャーさんも、家族と本人の板挟みになってアップアップしているケースが多いです。「困っているから助けて」と伝えて欲しいです。
私たちはその「話合いの場」を作り、家族の「通所してほしい」と、本人の「行きたくない」の間にある葛藤そのものを解決することを目指しています。
— 具体的に「一緒に解決する」とは、どういうことでしょうか。
基本的には、ご家族やケアマネジャー様から相談を受けますが、本人は部外者のようなケースが多いです。トラブルメーカーである「わからない人」として、面談の場面に本人は同席させてもらえなかったり、同席して発言しても意見として認めてもらえません。私は、会話が成立しないと考えているご家族やケアマネジャーの前で、徹底的に「本人の代弁者」になります。怒っていたり不安で落ち着かない場合も直接話をすると落ち着かれます。
普通に話ができても、「ときどきまともなことを言う」と否定される現実があるため、本人の思いを引き出す方法や伝え方を見て頂きます。間違うから、失敗するからと誤解されていますが、伝えたつもりでも伝わっていないのが根本的な原因にあったりもします。
例えば、ご家族が「お金の無駄遣いをさせたくない」と反対しても、本人が「好きなものを買いたい」と願うなら、私たちは「無駄じゃないものへ、使いましょう」と背中を押します。外に出て、自分の意思でお金を使う。この当たり前の権利と一人の人間としての信頼を再獲得することが、人をどれだけ元気にするか。信じてもらえれば、家族とのギスギスした関係も変わっていくんです。実際にお金を支払わなくても、買い物に一緒に行って商品を選んで頂き、好みや欲しい物への言動を家族へ伝え、買い物気分を楽しんで頂く過程を経て、次の機会にはお金を託して頂き、お買い物への許可を頂くステップもあります。
— 最後に、認知症について心配のある方や、ご家族へメッセージをお願いします。
認知症は、年齢関係なくだれもがなり得るものです。寿命が延び高齢になるほど、確率が高まるだけです。私は看取りまでの介護を経て認知症の崇高さを感じました。看護師となってからは認知症は、本人を守るための心身からのメッセージと考えています。
人間の成長と発達の最終段階に向けて現れる認知症を寛容に受けとめて頂きたいです。生活に困っている場合は、必要な支援が届いていません。あきらめずに専門家や相談窓口に助けを求めてください。認知症の不安を安心に変えることができたら、お互い優しく穏やかに過ごせます。
介護で困ることがあれば、誰かに話して助けを求めて頂きたいです。認知症診断後の生活を整えるためには、本人の希望を聴き、支える仲間と一緒に考えることが大切です。ご家族自身の生活を大切に「大変」「苦しい」「助けて」と伝えることをあきらめないでください。
認知症のご本と目を見つめ合い、笑顔を作れない状態の介護は、限界を超えています。他に介護する人がいないと一人で抱えず、「もう無理」と一旦離れ介護者自身を大切にしてください。認知症ケアやコミュニケーションにお困りの際は、おもいちがいの「繋ぎ役」や、プライベートナースとして改善に向けてお役に立てたら幸いです。

世田谷区のリハビリ型デイサービス「リハサロン祖師谷」|認知症ケアと外出支援リハビリの実践拠点

施設の特徴
・世田谷区お休み処
・経済産業省オレンジイノベーションプロジェクト参加企業
・東京都 東京健康UPLUSプラス協力店
・東京都スマホサポーター活動の場協力施設
・TOKYO働きやすい福祉の職場宣言法人
・東京都 心のバリアフリーサポート企業
・経済産業省オレンジイノベーションプロジェクト参加企業
・東京都 東京健康UPLUSプラス協力店
・東京都スマホサポーター活動の場協力施設
・TOKYO働きやすい福祉の職場宣言法人
・東京都 心のバリアフリーサポート企業
設備のご案内

CGT(※)のプログラムを内蔵した最新トレーニングマシン≪リハトレーナー≫を採用
足腰筋力低下予防(レッグプレス)
・下肢全体の筋肉を強化。
・立ち上がる、歩く、座るなどの基本動作に必要な筋力を向上させます。
ふらつき防止に(ヒップアブダクション)
・中殿筋(腰回り)の筋肉を強化。
・歩行時の安定性向上。
階段昇降の安定(レッグエクステンション)
・大腿四頭筋(太もも前面)の筋力強化。
・階段昇降の安定性、歩幅の広げなどの向上。
背筋をシャキッと!(ローイング)
・広背筋、菱形筋の強化。
・肩可動範囲を柔軟にさせます。
足腰筋力低下予防(レッグプレス)
・下肢全体の筋肉を強化。
・立ち上がる、歩く、座るなどの基本動作に必要な筋力を向上させます。
ふらつき防止に(ヒップアブダクション)
・中殿筋(腰回り)の筋肉を強化。
・歩行時の安定性向上。
階段昇降の安定(レッグエクステンション)
・大腿四頭筋(太もも前面)の筋力強化。
・階段昇降の安定性、歩幅の広げなどの向上。
背筋をシャキッと!(ローイング)
・広背筋、菱形筋の強化。
・肩可動範囲を柔軟にさせます。
※CGT:東京都老人総合研究所の大渕修一先生が高齢者向けに考案した運動理論【包括的高齢者運動トレーニング】
一日のスケジュール

午前の部 午前 9:00~12:15
午後の部 午後13:45~17:00
※入浴・食事サービスはございません。
8:30 / 13:15
・お迎え開始(ご自宅までお迎え)
9:00 / 13:45
・到着後
・健康チェック
9:30 / 14:15
・準備体操(軽ストレッチ)
・機能トレーニング
・個別プログラム(マシン利用)
・脳トレーニング
・口腔ケア
・ティータイム
12:15 / 17:00
・お見送り
・ご帰宅
※午前の部 / 午後の部
午後の部 午後13:45~17:00
※入浴・食事サービスはございません。
8:30 / 13:15
・お迎え開始(ご自宅までお迎え)
9:00 / 13:45
・到着後
・健康チェック
9:30 / 14:15
・準備体操(軽ストレッチ)
・機能トレーニング
・個別プログラム(マシン利用)
・脳トレーニング
・口腔ケア
・ティータイム
12:15 / 17:00
・お見送り
・ご帰宅
※午前の部 / 午後の部
スタッフ・ボランティア募集

貴方の活躍が誰かのために!
・特別な資格は必要ありません。必要なのは笑顔と感謝と思いやり。
・利用者様の状態やお気持ちに心を配り、最良のリハビリサポートをお願いします。
・生活力向上健康維持に励まれる利用者様へ、居心地の良い空間作りを目指しています。
・相手の立場で考え、より良いサービス提供を目指しご活躍いただける方をお待ちしています。
応募資格
・自動車運転免許(AT限定可)が有り、運転できる方。
・非喫煙者。
・身体を動かすのが好きな方、体操が好きな方、健康な生活に興味がある方。
少しでも気になりましたら、まずは見学にお越しください。 素敵なご縁がつながりますようご応募を楽しみにお待ちしています。
・特別な資格は必要ありません。必要なのは笑顔と感謝と思いやり。
・利用者様の状態やお気持ちに心を配り、最良のリハビリサポートをお願いします。
・生活力向上健康維持に励まれる利用者様へ、居心地の良い空間作りを目指しています。
・相手の立場で考え、より良いサービス提供を目指しご活躍いただける方をお待ちしています。
応募資格
・自動車運転免許(AT限定可)が有り、運転できる方。
・非喫煙者。
・身体を動かすのが好きな方、体操が好きな方、健康な生活に興味がある方。
少しでも気になりましたら、まずは見学にお越しください。 素敵なご縁がつながりますようご応募を楽しみにお待ちしています。
お問い合わせ
リハビリ型デイサービス リハサロン祖師谷
〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷6-5-8-102
TEL:03-3482-3082
WEB:https://reha888.com/contact/
〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷6-5-8-102
TEL:03-3482-3082
WEB:https://reha888.com/contact/
施設長 河野礼子さんのプロフィール|認知症ケアとスローショッピングを実践するデイサービス

経歴:
1991年3月 山脇学園短期大学英文科卒
1991年4月 住友商事株式会社
1997年12月 結婚退職
2021年3月 板橋区医師会立看護高等専修学校卒
2023年3月 朝霞地区看護専門学校卒
2025年3月 国際医療福祉大学大学院 医療福祉経営専攻 医療福祉ジャーナリズム学修士修了
現在に至る
1991年4月 住友商事株式会社
1997年12月 結婚退職
2021年3月 板橋区医師会立看護高等専修学校卒
2023年3月 朝霞地区看護専門学校卒
2025年3月 国際医療福祉大学大学院 医療福祉経営専攻 医療福祉ジャーナリズム学修士修了
現在に至る
資格・学会:
准看護師国家資格
看護師国家資格
介護福祉士国家資格
東京都認知症介護リーダー
介護予防主任運動指導員
ロコモコーディネーター
ダレデモダンス認定インストラクター
認知症サポーター キャラバンメイト
フレイルナース
心のサポーター養成研修指導者
福祉有償運送運転者講習修了
セダン等運転者講習修了
日本ユマニチュード学会
看護師国家資格
介護福祉士国家資格
東京都認知症介護リーダー
介護予防主任運動指導員
ロコモコーディネーター
ダレデモダンス認定インストラクター
認知症サポーター キャラバンメイト
フレイルナース
心のサポーター養成研修指導者
福祉有償運送運転者講習修了
セダン等運転者講習修了
日本ユマニチュード学会
認知症リハビリに関するよくあるご質問

Q1. 認知症は良くなりますか?
A. 個人差はありますが、当事業所の取り組みについては、ケアの実践内容をユマニチュード学会や国際医療福祉大学大学院の修士論文にて報告しています。症状の安定や意欲の向上などが見られた事例もあります。
Q2. 「良くなる」とは具体的にどのような状態ですか?
A. ご本人から「ここに来ると安心する」「来るのが楽しみ」といった発言がみられたり、通所先を覚えてくださるなど、新しい出来事への反応や前向きな変化が見られるケースがあります。
Q3. 認知症リハビリでは何をしていますか?
A. まずは安心して通所いただけるよう、慣れるまでスタッフが丁寧に関わります。その上で、他のご利用者様と同様の機能訓練やレクリエーションに参加していただき、生活リズムや意欲の維持を目指しています。
Q4. 認知症リハビリとして特に力を入れていることはありますか?
A. 症状の安定を目指すだけでなく、その後の維持や生活の質(QOL)の向上を大切にしています。外出リハビリや地域との関わりを通じて、社会参加の機会づくりを行っています。
Q5. 外出リハビリや地域貢献活動とはどのような内容ですか?
A. これまでの生活歴やご本人のご希望を伺い、無理のない形で外出や社会参加の機会をご提案しています。地域住民とのスローショッピングや季節ごとの外出活動などを通じて、楽しみや役割を感じられる時間づくりを行っています。
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