旭ヶ丘在宅クリニック 柴野真拓事務長|柔道整復師から札幌の在宅医療を支える事務長へ 最終更新日:2026/09/17

札幌市中央区・南区を中心に在宅医療を提供する旭ヶ丘在宅クリニック。その事務長を務める柴野真拓さんには、柔道整復師・鍼灸師から医療機関の事務職へ転身したという異色の経歴があります。
施術者として患者さんの身体と向き合い、旅を通じてさまざまな人の暮らしや価値観に触れた経験を経て、医療法人新産健会へ入職。現在は旭ヶ丘在宅クリニックの事務長として、訪問診療の現場を支えるとともに、法人の在宅部門全体の運営にも携わっています。
医師や看護師が診療に専念でき、患者さんが住み慣れた場所で安心して暮らし続けるために、事務長には何ができるのか。柴野真拓さん自身が、これまでの歩みと札幌の在宅医療への思い、そしてこれから目指す役割について綴ります。
施術者として患者さんの身体と向き合い、旅を通じてさまざまな人の暮らしや価値観に触れた経験を経て、医療法人新産健会へ入職。現在は旭ヶ丘在宅クリニックの事務長として、訪問診療の現場を支えるとともに、法人の在宅部門全体の運営にも携わっています。
医師や看護師が診療に専念でき、患者さんが住み慣れた場所で安心して暮らし続けるために、事務長には何ができるのか。柴野真拓さん自身が、これまでの歩みと札幌の在宅医療への思い、そしてこれから目指す役割について綴ります。
札幌市中央区・南区の在宅医療を支える事務長へ|柴野真拓
札幌市中央区と南区を拠点に在宅医療を提供する旭ヶ丘在宅クリニックで、事務長を務めています柴野真拓と申します。
柔道整復師から医療機関の事務職、そして現在の事務長へ。
このような経歴は決して一般的ではないかもしれません。しかし、身体に向き合ってきた経験があるからこそ、医師や看護師の役割を理解し、在宅診療のコーディネーターとして訪問診療に同行しながら、医療に近い場所で現場を支えることができると感じています。
現在は、医師や看護師が診療に専念できる環境を整え、患者さんが住み慣れた場所で安心して暮らせる在宅医療の仕組みづくりに取り組んでいます。

柔道整復師・鍼灸師として歩んだ施術者時代
高校卒業後に柔道整復師の資格を取得し、整骨院で勤務しました。捻挫や打撲、脱臼などへの対応を経験し、その後、鍼灸師の資格も取得しました。
整骨院では、患者さんの症状を聞き、身体の状態を確認し、必要な施術を行ってきました。その後、仕事を続けながら鍼灸の夜間専門学校に通い、鍼灸師の資格を取得しました。
整骨院を退職を機に各地を巡る旅に出て、旅先でマッサージや鍼灸を行っていた時期があります。旅先では、出会った人の家に泊めてもらったり、食事をごちそうになったりする代わりに、マッサージや鍼灸をしていました。
札幌を出発点に、知り合った人から次の訪問先を紹介してもらい、その人の知り合いを訪ねるという数珠つなぎのような旅を続け、気づけば大阪までたどり着いていました。
施術に値段をつけるのではなく、その人との関係のなかで自分にできることを提供する旅でした。さまざまな人と出会い、その人の状態に合わせて施術をしながら、仕事や暮らし、大切にしていることにも耳を傾けました。
肩書きや立場を越えて多様な考え方や生活に触れた経験は、現在、患者さんやご家族と向き合う際に、その背景にある思いを理解し、一人ひとりに合った関わり方を考えることにつながっています。
医療法人新産健会への入職|在宅医療との出会い
新産健会に入職したきっかけは、2014年の冬、旅から一時的に実家へ戻り、今後どうしようかと考えていた時期に、知人から紹介を受けたことでした。
もともとこの在宅部門で事務員をしていた友人が、私に「これまで培ってきた医療知識やコミュニケーション能力を生かせるのではないか」と声をかけてくれたことがきっかけとなり、入職していく流れとなりました。
その勧めで面接を受けましたが、当時は社会人経験が乏しく、タイピングもままならないうえ、ExcelやWordすらも使えず、加えて一般的な学力にも不安があったためか当初は不採用となりました。
しかし、医療従事者としての経験や旅で培った柔軟性を評価してくださった当時の院長と事務長のお力添えにより、採用の機会をいただくことができました。
そこから新産健会で働き始め、今年で12年目になります。
最初から事務長を目指していたわけではありません。目の前の仕事に取り組み、医師の訪問診療への同行や多職種との連携、地域の勉強会への参加を通じて知識と経験を深めてきました。また、業務の効率化や患者さんの確保、医療物品の見直しにも取り組み、少しずつ担当する業務の幅を広げてきました。

札幌市中央区・南区で在宅医療を提供する旭ヶ丘在宅クリニック
新産健会は、予防医療を大切な理念として掲げています。病気になってから治療するだけでなく、病気になる前から身体の状態を確認し、早期発見や健康維持につなげていくこと。そのために、健診を中心とした医療から歩みを始め、現在では外来診療、自費診療、画像診断、在宅診療など、幅広い医療機能を展開しています。
この予防を重視する考え方は、在宅診療部門にもつながっています。在宅医療では、病気の治療だけでなく、患者さんの状態を継続的に確認し、変化を早く捉えることが大切です。必要な検査を受けられるよう、超音波検査を行うチームがご自宅や施設へ伺うほか、きた在宅クリニックではCT検査にも対応しています。送迎を活用して画像検査につなげることも可能です。

一方で、在宅診療部門でもう一つ大切にしているのが、施設に寄り添う医療です。施設には、それぞれの方針や職員体制、入居者さんの生活があります。医療機関の都合だけで進めるのではなく、施設の状況を理解し、その現場で無理なく続けられる医療を一緒に考える必要があります。
この役割を担うのが、訪問診療に同行する医療事務員です。コーディネーターとして、患者さんやご家族、施設、医師、看護師の間に入り、連絡や調整、訪問に伴う準備を行います。一般的な事務業務にとどまらず、施設の状況を踏まえて現場を支えることで、医療を無理なく継続できる体制を整えています。
在宅診療部門には、ひがし在宅クリニック、きた在宅クリニック、ことに在宅クリニック、スマイル在宅クリニック、旭ヶ丘在宅クリニックがあります。旭ヶ丘在宅クリニックは、中央区と南区を中心に、ご自宅や施設への訪問診療を行っています。
複数の診療拠点と検査機能を生かし、患者さんの状態や施設の状況に合わせた方法を選べることも、新産健会の特徴です。
私は旭ヶ丘在宅クリニックの事務長業務に加え、在宅部門全体の運営にも携わっています。各拠点の運営状況を確認し、医療従事者と事務職それぞれの意見を踏まえながら、拠点間の情報共有や業務上の課題の整理、対応策の検討を行っています。
また、診療報酬や算定内容の見直し、施設・居宅への訪問先の調整、関係機関との連携など、診療を継続・拡大するための運営面にも取り組んでいます。旭ヶ丘在宅クリニックだけでなく、在宅部門全体を見渡し、各拠点が円滑に運営できる体制づくりを支えることを意識しています。

元柔道整復師の事務長だからこそできる在宅医療の支え方
柔道整復師出身の私が在宅医療の事務長を務めていることは、一般的な経歴とは言えないかもしれません。だからこそ、事務職としての経験だけでは見えにくい部分にも目を向けられるのではないかと考えています。
医療職がどのような情報を必要としているのか。患者さんの状態をどのように捉えているのか。現場で何が負担になり、どこに不安を感じるのか。
すべてを理解できるわけではありませんが、施術者として医療の現場にいた経験があるからこそ、医療職の考え方や感覚を想像しやすい部分があります。
私は、医師や看護師だけでなく、さまざまな職種の方とコミュニケーションを取ることを大切にしています。
実務上の課題や、それぞれの職種が抱えている苦悩を聞き、それをクリニックの運営に還元する。職種ごとの事情を共有することで、患者さんに関わる人たちが、よりスムーズに連携できるようにする。
それが、事務長としての大切な役割だと考えています。
特に薬剤師の方々とは、薬剤の種類や服薬状況、調剤、算定など、日々多岐にわたる情報を共有しています。薬に関する話を重ねる中で、私自身も多くのことを学ばせていただいています。
また、在宅医療で使用する物品や医療機器についても、メーカーや卸の担当者と相談しながら、仕様や機能、使い方の違いを確認しています。こうしたやり取りを通じて、専門的な知識を深めています。
もちろん、どちらも正式な資格や職種を示すものではありません。患者さんに関わる医療の一部だからこそ興味を持ち、必要な知識を学び、理解を深めているという意味で使っている言葉です。
薬剤や医療機器は、事務長の担当業務から外れているように見えるかもしれません。
しかし、患者さんの治療や生活に影響するものであれば、知っておく必要があります。知識が増えれば、関係する方々との会話も広がります。会話が広がれば、新しい仕事仲間ができ、さらに情報や知識を共有できるようになります。
こうした関係の広がりには、各地を巡っていた経験も影響しているのかもしれません。
旅をしていた頃は、初めて会う人と話し、その人の背景を知り、短い時間でも関係を築く必要がありました。その経験が、現在、多職種や業者の方々と関係をつくり、必要な情報を得るうえで役立っていると感じます。

患者・家族・多職種をつなぐ在宅医療と事務長の役割
在宅医療では、患者さんやご家族、施設だけでなく、ケアマネジャー、薬剤師、リハビリテーション職、訪問マッサージの担当者など、多くの職種が関わります。
それぞれが専門的な視点を持っている一方で、医師だけでは伝えきれないこと、看護師だけでは伝えきれないこともあります。私は、職種の間に立ち、それぞれの情報や考えを整理して、相手に伝わる形にすることを意識しています。
施設には施設の事情があり、医療職には医療職の判断があります。患者さんやご家族には、生活者としての希望があります。それらをすべて把握し、完全に一致させることは簡単ではありません。
だからこそ、互いの立場を理解しようとし、実務上の課題や悩みを共有しながら、患者さんにとって無理のない方法を探す必要があります。
私が目指しているのは、患者さん、現場、法人の三者が継続できる医療です。身体の状態だけでなく、生活環境や介護状況、本人の希望まで含めて考え、多職種が同じ方向を向けるように調整する。
それが、私の考える在宅医療の支え方です。

札幌の在宅医療を支える事務長として、これから目指すこと
私の経歴は、何度も言うようですが、在宅医療の事務長としては一般的ではないかもしれません。しかし、整骨院や鍼灸の現場で患者さんに向き合ってきたこと、各地を巡ってさまざまな人と関わってきたこと、新産健会で医療機関の運営を学んできたことは、現在の仕事の土台になっています。
院長と事務長に機会を与えていただき、周囲の方々から学びながら仕事を続けてきました。
旭ヶ丘在宅クリニックの事務長に就任してからは、5年になります。今後も中央区と南区を中心に、患者さんの生活に寄り添った訪問診療を続けていきます。
患者さんやご家族、施設、医療機関、介護関係者の皆様が相談しやすく、必要な情報を共有でき、適切な医療につながる体制をつくることが目標です。
新産健会には、複数の在宅診療拠点と検査機能があります。それぞれの拠点が地域で役割を果たし、法人全体で連携することで、在宅医療の対応力を高めることができます。
旭ヶ丘在宅クリニックも、その一つの拠点として、地域に必要とされる診療所であり続けたいと考えています。
身体を整えてきた私が、今は在宅医療の仕組みを整える。
施術者としての経験、旅で培った対人関係、新産健会で学んだ医療機関の運営。そのすべてを生かし、医療職、施設、多職種、患者さんとご家族の間をつなぐ橋渡し役として、在宅医療を支えていきます。
訪問診療についてお気軽にお電話ください
医療法人新産健会 旭ヶ丘在宅クリニック|札幌市中央区・南区の訪問診療

お問い合わせ
〒064-0913 北海道札幌市中央区南13条西23丁目2-21
TEL:011-252-9602/FAX:011-252-9603
WEB:https://zaitakui.shinsankenkai.or.jp/clinic/asahigaoka/
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WEB:https://zaitakui.shinsankenkai.or.jp/clinic/asahigaoka/
旭ヶ丘在宅クリニック 柴野真拓事務長プロフィール

経歴:
2010年 ハイテクノロジー専門学校卒(柔道整復師)
2010年 市内病院リハビリテーション勤務
2013年 ハイテクノロジー専門学校卒(鍼灸師)
2014年 各地に放浪
2015年 医療法人新産健会 月寒東在宅クリニック
2018年 医療法人新産健会 ひがし在宅クリニック
2022年 医療法人新産健会 旭ヶ丘在宅クリニック 事務長
現在に至る
2010年 市内病院リハビリテーション勤務
2013年 ハイテクノロジー専門学校卒(鍼灸師)
2014年 各地に放浪
2015年 医療法人新産健会 月寒東在宅クリニック
2018年 医療法人新産健会 ひがし在宅クリニック
2022年 医療法人新産健会 旭ヶ丘在宅クリニック 事務長
現在に至る
資格・学会:
柔道整復師
鍼灸師
鍼灸師
本企画「訪問診療クリニック事務長のリアル」では、在宅医療の現場を影日向となって支える事務長にスポットライトを当て、その役割や想い、日々の奮闘をお届けします。
関連リンク:
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