【進む在宅医療のDX化】homis [PR] 最終更新日:2024/11/23
在宅医療のDXでの注目サービスをお伝えする「進む在宅医療のDX化」。
第6回は在宅医療専門の医療チームが開発した在宅医による在宅医のためのクラウド型電子カルテ「homis」についてレポートします。
第6回は在宅医療専門の医療チームが開発した在宅医による在宅医のためのクラウド型電子カルテ「homis」についてレポートします。
メディカルインフォマティクスの概要
— まずは、メディカルインフォマティクスについて教えてください。
はい、メディカルインフォマティクスは、「在宅医療の未来を、デジタル技術と人の力で共創する」という使命を掲げ、在宅医療支援に特化した複数のサービスを提供する企業です。
弊社は以下の4つの領域でサービスを展開しています。
弊社は以下の4つの領域でサービスを展開しています。
1. コンサルティング:開業支援、経営支援、継承支援
2. デジタル:クラウド型電子カルテ「homis」を提供
3. アウトソーシング:在宅医療専門コールセンター「Okitell365」や、レセプト代行サービス「レセサポ」を展開
4. キャリア開発:医師向け人材採用サービス「在宅専科」の運営
大型医療法人の支援で培ったシステムやサービスを、より広いクリニック・病院に届けたいとの思いから、2023年に現社名へ変更し、新たなスタートを切りました。
homisの概要と誕生の背景
— 電子カルテ「homis」は現場から生まれたそうですね。
悠翔会の理事長は、在宅医療を本格的に始める中で、既存の電子カルテが実用的でないと感じ、2011年に自ら開発を開始。2012年4月から運用を始め、現場の課題解決を目指して改良を重ねてきました。開発の基本方針は次の通りです。
1. 入力の簡略化 - 同じ内容を何度も入力しない
2. 高速性 - 快適に動作することが最優先
3. シンプルな操作性 - パソコン、スマホ、タブレットで統一
4. 試験導入 - 新機能を現場で試験運用
5. 業務改革 - 個人の効率化だけでなく、業務全体の見直し
6. 低コスト - バランスの取れた開発・運用費用
小規模診療所では、従来、電子カルテの導入効果が薄いとされてきました。特に外来では、医師と事務員の作業が効率化されても、患者待ち時間の短縮には繋がらず、導入が進みにくい背景がありました。
しかし、在宅医療では紙カルテが効率を阻害する要因となります。たとえば、処方箋作成では、外来と異なり、訪問先で医師と事務員の連携が難しく、作業効率が悪化するため、電子カルテの必要性が高まります。homisはこのような現場の課題に応えるために開発されました。
外来と在宅医療カルテの相違点
在宅医療においては、カルテに記載すべき内容は外来と同様にSOAP形式が基本ですが、在宅ならではの細かい要件が求められます。在宅医療の主軸は、患者が自宅や施設で安心して過ごせるよう支援する「療養」です。そのため、患者の生活環境や家族、ケアチームとの連携が欠かせず、医療記録にはこれらの関係性を反映させることが求められます。
だからこそ、単なるカルテ管理を超えた患者関係性を包括的に管理できるシステムが必要です。こうしたシステムは、医療・介護・家族の情報を一元化し、多職種連携を円滑にしながら患者の療養生活を支える基盤となります。
外来では診療当日に現金で患者負担分を清算しますが、在宅では1か月分の診療を翌月にまとめて請求する仕組みです。在宅では「医学的療養管理」の保険点数が重要で、カルテに記録を残すことが求められます。多職種連携が必要な在宅医療では、医師が「診療情報提供書」や「訪問看護指示書」など多くの書類を作成し、チーム医療を支えます。
また、カルテ内容や処方箋の管理も外来と異なり、過去の処方や診療情報の引用が重要です。さらに、患者情報やケアマネ、薬局、訪問看護師などの情報を電子カルテで一元管理する必要があります。夜間往診時の駐車場所や鍵の開け方などの情報も命に関わるため重要です。
在宅医療では診療スケジュールの管理が外来より複雑です。患者や家族の都合を考慮しつつ移動ルートを効率的に組む必要があり、当日変更や往診対応も頻繁に発生します。homisではルート管理機能や処方箋の一括印刷機能を提供し、効率化を図っています。
在宅では介護保険が利用でき、医療と介護を合算して請求するケースが多いですが、外来用電子カルテでは介護請求が対象外なことが課題でした。homisは介護保険の算定を半自動化し、医療と介護を統合的に管理することで、手作業や追加コストの負担を軽減しています。
homisが提供する価値と機能
— 「homis」の特長について教えてください。
大きく分けて6つの特長があります。
1. カルテ入力や書類作成の効率化
従来、カルテや書類作成には多くの時間を要していましたが、homisはAI搭載のカルテ自動引用機能を備えています。これにより、作成時間を大幅に削減し、医療従事者の負担軽減を実現します。
2. 院内外の情報共有をスムーズに
院内外との情報共有はこれまで手間がかかっていましたが、homisはタイムライン機能や多職種連携機能を活用することで、効率的かつスムーズな情報共有を可能にします。
3. 算定・請求業務のスマート化
算定業務に時間がかかる課題に対応するため、homisは医療・介護レセコンとの自動連携機能を搭載。これにより、算定や請求業務が効率化し、医療現場の生産性向上に貢献します。
4. オーダリングチェック機能による安全性向上
診療時の処方や検査オーダーに対してhomisはチェック機能を提供。これにより、ミスを未然に防ぎ、医療の安全性と業務の質の向上を実現します。
5. 電波切れ対策
homisはすべてのデータをサーバで管理していますが、電波切れの影響を最小限に抑える設計がされています。ブラウザがサーバにアクセスするのは患者選択時や「送信」操作時のみで、カルテ執筆中は電波状態に依存しません。
電波が切れて送信に失敗しても、データは保持されるため、電波回復後に送信が可能です。また、電波状況を確認する機能や、複数患者のタブを同時に開いて診療を継続する仕組みも実装されています。これにより、保存失敗のトラブルはほぼ解消されています。
電波が切れて送信に失敗しても、データは保持されるため、電波回復後に送信が可能です。また、電波状況を確認する機能や、複数患者のタブを同時に開いて診療を継続する仕組みも実装されています。これにより、保存失敗のトラブルはほぼ解消されています。
6. ダイレクトFAX送信
homisでは、診療情報提供書などをシステム内から直接FAX送信することが可能です。緊急搬送時にも、往診先から即座に必要な情報を送付できるため、印刷や帰院の手間を省き、迅速な対応を実現します。
homisはこれらの機能を通じて、医療従事者の業務効率化、安全性の向上、そして患者中心のサービス提供を支援します。
homisはこれらの機能を通じて、医療従事者の業務効率化、安全性の向上、そして患者中心のサービス提供を支援します。
7. 経営指標の可視化
オプションのhomis Analysisによって、患者数や保険集計の要因分析など経営改善の手助けとなるデータが可視化されます。また、在宅療養支援診療所の施設基準の届出要件を満たしているかどうかの即座のチェックが可能です。
患者数ベースの料金体系
— 利用にあたっての費用もリーズナブルだそうですね。
はい、homisの利用料金は、患者数に基づいた柔軟な料金体系を採用しています。管理患者は1人あたり月額いくらなど、患者数に応じて料金が決まります。このため、開院当初の患者が少ない時期は低コストで利用を開始でき、患者数の増加に合わせて料金が比例して増える仕組みです。
一般的な電子カルテシステムでは、初期のライセンス料や一括で数百万円の費用がかかる場合が多く、患者がゼロでも固定費用が発生します。またオンプレ型になると、おおよそ5年になりますがハード機器の保守期限切れのタイミングで初期費用同様の費用が発生します。
一方、homisは在宅診療の特徴に配慮し、低コストで試行的に導入をスタートできるため、患者数の不確定要素が大きい在宅診療に最適な料金体系です。
メディカルインフォマティクス株式会社
代表取締役 佐々木 美樹
創業 2010年4月
〒100-0005 東京都千代田区丸の内二丁目1番1号 明治生命館4階