在宅医療について~はじめにお読みください 最終更新日:2024/11/19
在宅医療についてその概要をまとめました。在宅医療に関心を持たれサイトへ来訪された皆様、まずはこちらからお読みになってください。
在宅医療について
在宅医療は、医療機関に通うことが困難な患者が自宅や入所施設で治療やケアを受ける医療サービスです。医師をはじめ、看護師、薬剤師、歯科医師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、ケアマネジャー、ホームヘルパー、メディカルソーシャルワーカー、心理カウンセラーなどが連携して、定期的または必要に応じて患者を訪問し、必要な治療や処置、リハビリ、各種指導、栄養管理、心理的サポートを提供します。介護のサポートも併用し、患者が住み慣れた環境で生活の質を維持しながら治療を受けることを可能にします。 末期がん患者や神経難病などの慢性疾患を持つ患者以外でも加齢による老衰も対象となります。厚生労働省のデータによると、約80%の方が病院で亡くなっていますが、「自宅で最期を迎えたい」と希望する人が70%を超えており、その希望に沿って在宅での看取りも行います。
在宅医療を受けることができる方について
対象となる方
医療機関への通院が困難な方が対象になります。
主な疾患や症状
末期がん、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害後遺症、重度の慢性心疾患や慢性呼吸器疾患、アルツハイマー型認知症やその他の認知症、神経難病、運動器疾患(骨粗鬆症、圧迫骨折、変形性関節症、 大腿頸部骨折など)、関節リウマチや生まれつきの重度の障害により呼吸管理や栄養サポートが必要な小児ケア児などの患者が挙げられます。褥瘡(床ずれ)や老衰の方も対象になります。
在宅医療を受けることができる場所について
在宅医療は、自宅をはじめとしたさまざまな「生活する場所」で受けることが可能です。主に自宅での療養を希望する方が多いですが、サービス付き高齢者住宅、有料老人ホーム、グループホームや特別養護老人ホームなどの施設も対象となります。「生活する場所」が自宅でなくても、安心して医療を受けられる環境が整えられています。
また、在宅医療は患者が普段の生活リズムや生活環境を保ちながら医療を受けられるため、身体的・精神的な負担が軽減され、家族との時間も確保できるのが大きなメリットになります。さらに、こうした環境で医療が受けられることで、認知症や寝たきりの高齢者など、移動が難しい方も安心して治療を続けられます。「生活する場所」で医療を受けることで、患者が自分らしく過ごせるサポートが実現されてます。
在宅医療で行われる検査、処置などについて
昨今の医療技術の進歩と多職種の連携により、様々な治療・処置、検査や指導を行うことが可能になっています。
治療・処置
点滴、注射、中心静脈栄養、胃瘻栄養、胃瘻カテーテル交換、在宅人工呼吸療法、在宅酸素療法、気管カニューレ交換、膀胱留置カテーテル交換、膀胱瘻カテーテル交換、人工肛門の管理、褥瘡治療、医療用麻薬の持続投与、胸腔腹腔穿刺ドレナージ等を含めた専門的緩和ケア、腹水濾過濃縮再静注法 (CART)、輸血療法、上下肢痙縮に対するボツリヌス療法など
むし歯治療や入れ歯の調整処置
検査
血液検査、尿検査、各種培養検査、心電図検査、超音波検査、ポータブルのレントゲン撮影など
指導
服薬指導、栄養指導、リハビリテーション指導、嚥下指導など
その他
予防接種 (新型コロナウイルス、インフルエンザ、肺炎球菌、帯状疱疹など)、口腔ケアなど
在宅医療でかかる費用について
医療費用
定期的に発生するもの:
・在宅患者訪問診察料
・在宅時医学総合管理料 など
・在宅患者訪問診察料
・在宅時医学総合管理料 など
臨時で発生するもの:
・緊急往診、訪問歯科などの臨時の治療にかかる費用
・検査、処置、指導などにかかる費用
・薬剤料 など
・緊急往診、訪問歯科などの臨時の治療にかかる費用
・検査、処置、指導などにかかる費用
・薬剤料 など
介護費用
・居宅療養管理指導
・訪問看護
・訪問リハビリ
・訪問介護
・訪問入浴介護
・デイケア・デイサービス
・ショートステイ
・医療機器レンタル料 など
・訪問看護
・訪問リハビリ
・訪問介護
・訪問入浴介護
・デイケア・デイサービス
・ショートステイ
・医療機器レンタル料 など
自費診療
・自費診療に関する費用
・紹介状や診断書などの文書費用
・衛生材料等にかかる費用 など
・紹介状や診断書などの文書費用
・衛生材料等にかかる費用 など
その他
・消耗品費用
・光熱費
・往診時に係る交通費
・リフォーム費用 など
・光熱費
・往診時に係る交通費
・リフォーム費用 など
実際の費用について
在宅医療の費用について具体的な実例を挙げると、例えば、月に2回の訪問診療と週に1回の訪問看護(介護認定されており1回20分)を受ける場合、訪問診療料として月額約7万円、訪問看護料として月額約1.5万円がかかります。
これに加えて、医療機器のレンタル料や薬剤費が月額1万円程度かかることもあります。これらの費用は、医療保険や介護保険の適用により、自己負担額は総額の1割から3割程度(9,500円~28,500円)に抑えられます。具体的な費用は、患者の状態や利用するサービスによって異なるため、事前に見積もりを取ることが重要です。
1ヶ月の医療費が一定額を超えた場合には高額療養費制度を利用できます。高額療養費制度は、自己負担額を決められた上限額までにとどめる仕組みで、この制度を利用することで、在宅医療の高額な費用も一部がカバーされ、経済的負担が軽減されます。
所得に応じて自己負担限度額が設定されており、限度額を超えた分が払い戻しされます。70歳以上の多くの方の上限は月額18,000円となっています。算定方法は関係各所にお問い合わせ下さい。
在宅医療にかかわる人たちについて
医師
在宅医療を提供する医師は、患者の自宅を定期的に訪問して診察や治療を行います。彼らは患者の健康状態を評価し「生活のしやすさ」を重視します。痛みや呼吸困難など生活に支障をきたす症状の有無、食事の内容や量、体動や排泄、体の清潔、睡眠などの状況を確認し、改善を目指します。栄養補給への対策やがん患者であれば、疼痛ケアにも取り組みます。また、緊急時には往診にて対応し、他の医療専門職との連携も行い、必要に応じて専門医や病院への紹介を行います。
看護師
看護師は、医師の指示に基づいて患者の自宅を訪問し、看護ケアを提供します。具体的な役割には、バイタルサインのチェック、傷の処置、薬の管理、リハビリテーションのサポートなどが含まれます。患者や家族への教育や心理的サポートも重要な役割です。看護師は、患者の生活の質を向上させるために、日常的なケアを提供し、健康状態の維持に努めます。ホームヘルパーや理学療法士などの訪問スタッフの活動をすべて集約して指示出しをするなど、在宅医療の要となっています。
歯科医師
歯科医師は、在宅での歯科診療を提供します。歯科治療や口腔ケア、入れ歯の調整などを行い、患者の口腔健康を維持します。口腔ケアは全身の健康に直結するため、訪問歯科医の役割は非常に重要です。また、嚥下機能改善にも関わり、治療、リハビリ指導や教育も行い、患者や家族が日常的に適切なケアを行えるよう支援しADL改善を行います。
薬剤師
薬剤師は、患者の薬物療法を管理し、適切な薬の使用をサポートします。処方された薬の調剤や供給を行い、薬の副作用や相互作用についての情報を提供します。患者や家族に対して、薬の正しい使用方法や服用スケジュールを説明し、薬の管理をサポートします。薬剤師の役割は、薬物療法の効果を最大限に引き出し、副作用を最小限に抑え服薬コンプライアンスを上げることです。
管理栄養士
管理栄養士は、患者の栄養状態を評価し適切な栄養管理を行います。患者の健康状態や病状に応じた食事計画を作成し、栄養バランスの取れた食事を提供します。患者や家族に対して、栄養に関する教育や指導を行い、食事の工夫や改善方法を提案します。栄養士のサポートにより、患者の全体的な健康状態を維持・向上させることができます。
理学療法士
患者の機能回復や維持を目指してリハビリテーションを提供します。患者の筋力や関節の動きを改善するための運動療法を行い、歩行訓練やバランス訓練などを通じて、患者の自立をサポートします。訪問リハビリでは、患者の家庭環境に合わせた訓練や指導を行い、患者ができるだけ自立した生活を送れるようサポートします。
作業療法士
患者の日常生活の改善を目指してリハビリテーションを提供します。食事や着替え、入浴などの基本的な動作の訓練を行い、患者ができるだけ自立して生活できるよう支援します。患者の趣味や興味に基づいた活動を通じて、精神的な健康もサポートします。訪問リハビリでは、個別にカスタマイズされたリハビリプログラムを実施し、家庭環境に合わせた訓練や指導を行います。
言語聴覚士
言語障害(失語症や構音障害)に対するリハビリテーションを提供します。嚥下方法や食事内容の指導、家族への介助方法の指導やコミュニケーションの取り方についての提案・指導も行います。
ケアマネージャー
在宅医療において患者のケアプランを作成し、医療・介護サービスの調整を行う役割を担い、在宅医療における司令塔です。患者や家族と相談し、最適なサービスを組み合わせて提供するためのプランニングを行います。サービス提供者との連絡調整を行い、患者の状態やニーズに応じてケアプランを適宜見直し、患者の生活の質を向上させるために包括的なサポートを提供します。
介護福祉士・ホームヘルパー
日常生活のサポートを提供する専門職です。入浴、食事、排泄、移動などの基本的な日常生活動作を支援します。患者の安全と快適さを確保するために、住環境の整備や安全対策を行います。ホームヘルパーは、患者の自立を支援し、家族の負担を軽減するために重要な役割を果たします。
メディカルソーシャルワーカー
医療機関において患者や家族の悩みや問題を見つけ、解決を支援する専門職です。主な業務には、療養中の心理的・社会的問題の調整、退院支援とその後の生活支援、社会復帰援助、受診に関する援助、医療費や生活費の問題解決、地域ケア会議への参加などが含まれます。
心理カウンセラー
患者やその家族の心理的なサポートを提供します。病気や障害に伴うストレスや不安、うつ症状などに対するカウンセリングを行い、患者の精神的な健康を維持・向上させるための支援をします。患者や家族が在宅医療に適応するための支援を行い、生活の質を向上させることも目指します。
在宅医療機関の見つけ方について
通院している場合
主治医(かかりつけ医)に相談する:
主治医に相談し、在宅医療を提供しているクリニックの紹介を受けるのが一般的です。医療機関同士で連携が取れていることが多いため、適切な在宅医を紹介してもらえる可能性が高いです。
主治医に相談し、在宅医療を提供しているクリニックの紹介を受けるのが一般的です。医療機関同士で連携が取れていることが多いため、適切な在宅医を紹介してもらえる可能性が高いです。
地域包括支援センターに相談する:
市区町村が設置している地域包括支援センターに相談すると、地域の在宅医療に詳しいスタッフが、適切な在宅医や在宅療養支援診療所を紹介してくれます。
市区町村が設置している地域包括支援センターに相談すると、地域の在宅医療に詳しいスタッフが、適切な在宅医や在宅療養支援診療所を紹介してくれます。
ケアマネジャーに相談する:
介護保険サービスを利用している場合になりますは、ケアマネジャーに相談し、在宅医療の経験が豊富な医師を紹介してもらう方法もあります。
介護保険サービスを利用している場合になりますは、ケアマネジャーに相談し、在宅医療の経験が豊富な医師を紹介してもらう方法もあります。
入院している場合
主治医に相談する:
まずは主治医に相談しましょう。患者の病状や今後のケアが必要な点を把握しており、それに応じた在宅医を紹介することができます。
まずは主治医に相談しましょう。患者の病状や今後のケアが必要な点を把握しており、それに応じた在宅医を紹介することができます。
地域連携室にて相談する:
昨今ほとんどの病院には「退院支援室」や「地域連携室」が設置されていることがあり、退院後の療養先や在宅医療の手配をサポートしてくれます。退院支援室のスタッフに相談すれば、適切な在宅医を見つける手助けをしてもらえます。
昨今ほとんどの病院には「退院支援室」や「地域連携室」が設置されていることがあり、退院後の療養先や在宅医療の手配をサポートしてくれます。退院支援室のスタッフに相談すれば、適切な在宅医を見つける手助けをしてもらえます。
その他
地域で探す:
以下の施設や機関に問い合わせると、在宅医療機関に関する情報を得ることができます。
・地域包括ケア支援センター
・居宅介護支援事業所
・訪問看護ステーション
・市区町村の役所や役場(介護保険課など)
・保健所・保健センター
・地域の医師会
以下の施設や機関に問い合わせると、在宅医療機関に関する情報を得ることができます。
・地域包括ケア支援センター
・居宅介護支援事業所
・訪問看護ステーション
・市区町村の役所や役場(介護保険課など)
・保健所・保健センター
・地域の医師会
インターネットで探す:
在宅医療または訪問診療 地域名で検索するとその地域で在宅医療を行っている機関が検索できます。
なお、弊社サイトでも住所から最寄の在宅医療機関が検索できますので、ぜひご利用くださいませ。»こちら
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