「おうち×デイ新聞」田村武晴 代表 寄稿|在宅医療・介護の“情報格差”をなくすために今できること 最終更新日:2026/03/12

はじめまして。田村武晴です。
私はこれまで、在宅医療・介護の現場で対人支援に携わってきました。その中で痛感したのは、支援の質以前に「情報の格差」が大きな壁になっているという現実です。制度を知らない、選択肢を知らない、相談先を知らない――そのことが家族を追い詰めてしまう場面を何度も見てきました。だからこそ私は、現場支援に加え“情報支援”という形で社会に関わることを選びました。田村武晴として今考えていること、そして在宅医療・介護の未来に向けた提案を率直にお伝えします。
私はこれまで、在宅医療・介護の現場で対人支援に携わってきました。その中で痛感したのは、支援の質以前に「情報の格差」が大きな壁になっているという現実です。制度を知らない、選択肢を知らない、相談先を知らない――そのことが家族を追い詰めてしまう場面を何度も見てきました。だからこそ私は、現場支援に加え“情報支援”という形で社会に関わることを選びました。田村武晴として今考えていること、そして在宅医療・介護の未来に向けた提案を率直にお伝えします。
はじめに
私の仕事は一言で言えば、「介護の情報格差」を埋めることです。制度やサービスは存在していても、言葉が難しい、情報が散らばっている、誰に聞けばいいか分からない――その“分からなさ”が、本人と家族の選択肢を狭め、疲弊や後悔を生みます。だから私は、必要な人に、必要な情報が届く仕組みをつくり、現場の行動に落とし込める形で届け続けています。

「対人支援」から「情報支援」へ――私が新聞をつくる理由
私は医療・介護の現場に20年以上携わり、柔道整復師・鍼灸師としての臨床経験も積み重ねてきました。2001年、川崎市多摩区で“ひとり先生”の接骨院を開業した際、あえて駅から遠い場所、山の上を選びました。すでに高齢化が進み、通いたくても通えない方が出ていたからです。最初は万歩計と手作りの歩数表を配り、通院しない日も記録を続けてもらい、紙を見せに来てもらう。そのたびに応援メッセージを書き、日々の小さな継続を一緒に喜び合う――そんな関わりが、いつのまにか半径500メートルの住民が集まる“地域の拠点”になっていきました。
その後、訪問マッサージや介護事業(機能訓練型デイサービス)などを複数展開し、直接雇用は70人規模にまで広がりました。しかし同時に、対人支援には限界があることも痛感しました。忙しさの中で「なんで分かってくれないの」という傲慢さが芽生え、自分の器を超えてしまった。さらにコロナ禍で事業の多くを閉めたとき、心が折れかけました。
それでも、ひとつだけ確信していたことがあります。
「人に貢献することだけはやりたい。これを死ぬ時にやりきれなかったら、きっと後悔する」
そのとき思い出したのが、幼い頃から母に言われ続けた言葉です。
「強くて優しい人になりなさい。優しくなるなら強くなきゃいけないし、強くなるんだったら優しくなきゃいけないよ」
地域を守るには強さが必要。でも、最後に人を支えるのは優しさ。私はこの軸だけは曲げないと決めました。
「人に貢献することだけはやりたい。これを死ぬ時にやりきれなかったら、きっと後悔する」
そのとき思い出したのが、幼い頃から母に言われ続けた言葉です。
「強くて優しい人になりなさい。優しくなるなら強くなきゃいけないし、強くなるんだったら優しくなきゃいけないよ」
地域を守るには強さが必要。でも、最後に人を支えるのは優しさ。私はこの軸だけは曲げないと決めました。

そしてもう一つ、20年の現場で見えてきた真実があります。
「知っている人と知らない人で、人生の最期が全然違う」
同じような状況でも、適切な情報と段取りを知っている人は、最期の1週間前まで運動を続けられる。知らない人は早い段階で寝たきりになってしまう。家族から「介護をしなくて済みました」という感謝の手紙をいただいた経験も、私の背中を押してきました。
「知っている人と知らない人で、人生の最期が全然違う」
同じような状況でも、適切な情報と段取りを知っている人は、最期の1週間前まで運動を続けられる。知らない人は早い段階で寝たきりになってしまう。家族から「介護をしなくて済みました」という感謝の手紙をいただいた経験も、私の背中を押してきました。
だから私は、“対人支援”の経験を土台に、より多くの人へ届けられる“情報支援”へ舵を切りました。転機になったのが、チャットGPTとの出会いです。コロナ禍で書き溜めていたメモを整理し、文章化し、新聞記事の形に落とし込める――「これだ」と確信しました。
東京23区・約5,000事業所へ。紙の新聞が届く場所
現在は、東京23区内の介護事業所約5,000社に向けて、「おうち×デイ新聞」を発行しています。推定で、利用者読者数は約15万人、従業員は約7万5千人、ケアマネジャー約4,000名へ情報が届く設計です。
紙媒体にこだわるのは、介護現場と利用者にとって「手元に置ける情報」が強いからです。スマホで検索しなくても、ふとした空き時間に読める。壁に貼れる。職員同士で回覧できる。家族に持ち帰って共有できる。情報が“行動”に変わる確率が上がります。
新聞では、国の方向性(政策・制度改正)を現場の言葉に翻訳し、データも踏まえて、誰にでも分かる形で解説することを大切にしています。同時に、現場の“困った”を掘り下げ、カスハラ対策、離職対策、社内研修、新商品・新メニュー開発支援など、介護業界・シルバー産業の事業づくりにも伴走しています。

私が提案している「親の介護は9割外部委託」という考え方
「親の面倒は自分が見なければ」——そう思って頑張りすぎて、心も体も限界を迎える家族は少なくありません。私が提案しているのは、排泄や身体介護など高リスクなケアはプロに任せ、家族は“家族にしかできないこと”に集中する「9割外部委託」という考え方です。
手を握る。昔の写真を見て話す。好きな匂いを届ける。大切な時間を一緒に過ごす。家族の役割を“介護の作業”から“関係の回復”へ戻すことで、本人にも家族にも、穏やかな時間が生まれます。
「軽やかな紹介」が社会を変える――つながりの設計
私は情報支援を、紙面だけで完結させたいとは思っていません。必要な人に必要な情報を届けるには、人と人がつながる仕組みも欠かせない。そこで、ニーズマッチ の「福祉サポート支部」を主催し、医療・介護・福祉領域で挑戦する人たちが“軽やかに情報共有できる場”をつくっています。
「こういう人知ってるよ」という一言の紹介が、困りごとの解決につながることは多い。売り込みが苦手な方でも安心して参加できるよう、過度な営業は私が責任を持って排除し、場の健全性を守ります。
これから:在宅医療・介護の“選択”を、もっと当たり前に
ジャパン介護ラボラトリー株式会社のミッションは「必要な人に、必要な情報を届けること」。ビジョンは「ひとりひとりが“理想の介護”を選択できる世界」をつくることです。選択肢が増えれば、人生はまだまだ面白くなる。介護は“我慢の物語”ではなく、“納得して選ぶ物語”に変えられる。私は、制度・データ・現場の声をつなぎ、読み手の背中をそっと押す記事を、これからも届け続けます。
今後も「おうちde医療」と連携しながら、在宅医療・介護の現場で本当に役立つ情報、そして「知らなかった」で後悔しないための準備を、できるだけ分かりやすく整理して発信していきます。

読者・事業者・家族に向けて、私が提供できること
私の発信は、単なる「制度解説」では終わりません。読んだ人が“次に何をすればいいか”まで分かることを重視しています。具体的には、次の3点をセットで届けます。
1)制度・政策の「翻訳」:国の資料や専門用語を、そのまま貼り付けず、現場の判断に必要な言葉へ言い換える
2)行動に落ちる「手順」:誰が/いつ/何を/どこへ相談すればいいかを、段取りとして整理する
3)現場の「工夫」と「実例」:机上の空論ではなく、現場で実際に回った工夫・失敗・学びを含めて伝える
2)行動に落ちる「手順」:誰が/いつ/何を/どこへ相談すればいいかを、段取りとして整理する
3)現場の「工夫」と「実例」:机上の空論ではなく、現場で実際に回った工夫・失敗・学びを含めて伝える
私自身が、接骨・訪問・通所・施設運営など、制度の中で手を動かしてきた“実践者”であることが、情報の温度差を埋める土台になっています。
なぜ「データ」を扱うのか――現場の感覚を、社会の言葉につなぐために
介護は感情の仕事です。同時に、制度の仕事でもあります。現場の「大変だ」という声だけでは政策は動きにくい。一方で、数字や会議の言葉だけでは現場は動けない。だから私は、両方を往復します。国の方向性(制度改正)と、利用者・家族の不安、そして事業所の経営課題(人材・稼働・離職など)がどこで噛み合い、どこでズレているのかを、データと現場の声を行き来しながら整理していきます。
活動の軸:現場の“希望”を消さない
私は「正しいこと」を押しつけたいわけではありません。正論を言うほど、人は動けなくなることがある。だから、できるだけ“責めない言葉”で書くことを心がけています。
・知っているけど、できない
・分かっているけど、動けない
・頑張っているのに、報われない
・分かっているけど、動けない
・頑張っているのに、報われない
そんな人を置き去りにしない。小さな一歩に分解して、「これならやれそう」と思える形にして渡す。これは、現場で人の身体と心を見てきた自分にとって、譲れない編集方針です。

仲間とつくる未来――「商いの力で介護を変える。そして、世界へ」
私は、介護の課題は“現場だけ”で抱え込むべきではないと考えています。医療・介護・福祉を支えるサービスや商品が、必要な人に届くルートを増やすこと。現場の困りごとを、ビジネスの力で「良かった」に変えていくこと。そのために、新聞・イベント・SNS・交流会など複数の手段で、情報と出会いの場を設計しています。
また、日本ウエルエージング協会 の理事として、国内にとどまらない介護の情報提供・業務支援にも視野を広げています。
介護の知恵は、日本だけのものではありません。高齢化が進む世界にとって、現場の知見は“輸出できる社会資本”だと信じています。
介護の知恵は、日本だけのものではありません。高齢化が進む世界にとって、現場の知見は“輸出できる社会資本”だと信じています。
編集の作法:専門用語を“生活の言葉”に変える
私は記事を書くとき、必ず「現場で今夜から使えるか?」を自問します。難しい言葉は、やさしい言葉に置き換えるだけでなく、読者の立場(経営者/スタッフ/利用者/家族)ごとに“次の一手”が違うことを前提に、同じテーマを複数の角度から解きほぐします。大事なのは、正解を当てることより、「納得して選べる状態」を増やすことです。
そして、読み手の不安が強いテーマほど、結論を急がず、背景→選択肢→注意点→相談先の順に並べます。介護は一人で抱えるほど苦しくなる。だからこそ、情報が「相談」や「連携」を呼び込む設計にしたいのです。
紙面のアーカイブも含め、読み返せる“備えの引き出し”として活用いただければ嬉しいです。気になった号や記事があれば、ぜひ現場で共有してください。
最後に:読者への約束
私は、介護を“根性”で乗り切る時代を終わらせたい。必要なのは、仕組みと情報とチームです。「知らなかった」で後悔する人を一人でも減らすために、これからも、強くて優しい情報を届けます。
そして、あなたが次の一歩を踏み出すとき、背中を押すのではなく、隣で一緒に歩ける発信者でありたいと思っています。
今後「おうち×デイ新聞」のアーカイブ(PDF)を順次公開していきます。現場の“いま”を知る入口として、必要な号から手に取ってみてください。
アーカイブを通して、事業所のスタッフだけでなく、利用者さんやご家族にも「こんなサービスがあるんだ」「相談先はここなんだ」と気づくきっかけが増えるはずです。紙とWEBb、それぞれの強みを掛け合わせて、届く情報の幅を広げていきます。小さな気づきが、暮らしの安心に変わる。その連鎖を一緒につくれたら幸いです。
ジャパン介護ラボラトリー株式会社

おうち×デイ新聞
発行元:ジャパン介護ラボラトリー株式会社
発行部数:5,000部(前回4,917社)
発行形態:定期購読&DM形式
サイズ:タブロイド版16頁
主要配布先:東京23区内の介護施設約5,000社
・入居施設:1,000社
・通所施設:2,000社
・居宅介護支援事業所:1,500社
・地域包括センター:300社
推定読者数:75,000人以上=5,000社×15人以上
うちケアマネ数:4,000人以上
発行サイクル:3か月に1回、25日発行(2月、5月、8月、11月)
発行部数:5,000部(前回4,917社)
発行形態:定期購読&DM形式
サイズ:タブロイド版16頁
主要配布先:東京23区内の介護施設約5,000社
・入居施設:1,000社
・通所施設:2,000社
・居宅介護支援事業所:1,500社
・地域包括センター:300社
推定読者数:75,000人以上=5,000社×15人以上
うちケアマネ数:4,000人以上
発行サイクル:3か月に1回、25日発行(2月、5月、8月、11月)
お問い合わせ
田村武晴代表のプロフィール

経歴:
介護保険制度がはじまった2000年とほぼ同時に、独自に、高齢者が住みやすい地域づくりに取り組む。具体的には、健康保険を使った接骨事業、訪問マッサージ事業、介護保険を使った介護事業などを、駅から地域、遠い病院や行政施設へ通いにくい山の上などの場所に、自ら事業所を設立・サービスを提供することで、いくつになっても住みやすい街づくりを実践。現在は、家計費を圧迫する介護費用の削減方法や国内に限らず、海外への介護の情報提供、業務支援を行っている。
資格・学会:
日本ウエルエージング協会 理事
ビジネス交流会ニーズマッチ 福祉サポート支部主催
柔道整復師・鍼灸師、機能訓練士
介護施設役員歴任(医療介護歴20年以上)
ビジネス交流会ニーズマッチ 福祉サポート支部主催
柔道整復師・鍼灸師、機能訓練士
介護施設役員歴任(医療介護歴20年以上)
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