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【看護師監修】介護保険・医療保険がきかない看護サービスの選び方、はじめ方 最終更新日:2025/10/19

【看護師監修】介護保険・医療保険がきかない看護サービスの選び方、はじめ方

はじめに

高齢化社会が進む中、介護や看護のニーズはますます多様化しています。しかし、すべてのサービスが公的な社会保障制度でカバーされるわけではありません。特に「介護保険や医療保険が適用されない」ケースも少なくなく、その選択肢をどう活かすか悩んでいる方も多いでしょう。
このような状況下で、自分や家族に最適なケアを受けるためには何を基準に選ぶべきなのか、詳しく解説します。この記事を読むことで、社会保障制度外でも利用可能な看護サービスについて理解し、それらのメリットとデメリットを把握することができます。
費用面での工夫や補助制度についても触れていますので、安心して自分たちに合ったサポート体制を整える一助となれば幸いです。

介護保険・医療保険がきかない看護サービスの選び方

介護保険・医療保険がきかない看護サービスとは

介護保険や医療保険が適用されない看護サービスについて理解することは、利用者やその家族にとって重要です。まず、介護保険と医療保険の違いを知ることで、それぞれの制度がどのような場面で活用できるかを把握できます。
また、特定の条件下では介護保険外となるケースも存在します。例えば、高度な個別ニーズに応じた専門的ケア日常生活支援以外のサービスなどが該当します。このような場合には、自費負担になる可能性があります。
介護保険・医療保険がきかない看護サービスの選び方

介護保険と医療保険の違い

介護保険と医療保険は、どちらも高齢者や病気の方を支えるために重要な役割を果たしていますが、その適用範囲には大きな違いがあります。まず、介護保険は、65歳以上で介護や支援が必要と認定された方、もしくは40〜64歳で特定疾病(16種類)が原因で要支援・要介護と認定された方が対象となります。
一方で、医療保険は病気や怪我の治療費をカバーすることが中心です。このような背景から、看護サービスでも両者の区別が必要となります。
そのため、ご自身やご家族に最適な選択肢を考える際には、この二つの制度の特徴と限界点を理解しておくことが非常に重要です。また、一部のサービスでは特定条件下でのみ補助されるものもあるため、事前に詳細情報を確認し計画的に利用することがおすすめです。

保険外サービスに該当するケース

介護保険・医療保険が適用されない看護サービスを選ぶ際には、まずどのようなケースで保険外となるかを理解することが重要です。例えば、日常生活における見守り家事援助や旅行や外出通院などの付き添い患者や利用所の希望による訪問サービスなどは、多くの場合自費負担になります。
また、医療行為ではなく予防的なリハビリテーション健康管理といった目的で提供される訪問ケアも同様です。このため、自分自身または家族のニーズに合ったサービスを選択する際には、その内容が介護保険・医療保険の対象になるかどうか確認し、それ以外の部分については予算計画を立てておく必要があります。
一部の地域では、自治体が独自に支援制度を設けている場合もあります。たとえば、 ❏浦安市の介護保険外生活支援サービス事業  ❏足利市の高齢者暮らしのお手伝い事業 などがその例です。
まずは地元の行政機関に問い合わせ、利用できる支援制度を確認してみることが大切です。こうした制度を踏まえて最適なプランを立てることで、高齢者や療養中の方々に、より良い生活環境と支援体制を整えることができます。
保険外看護サービス社一覧

介護保険・医療保険がきかない看護サービスを利用するメリット

柔軟な対応と個別ケアの充実

介護保険・医療保険が適用されない看護サービスを選ぶ際には、利用者のニーズに応じた柔軟な対応個別ケアの充実度が重要です。まず、提供されるサービス内容がどれだけ多様であるかを確認することが大切です。例えば、日常生活支援や訪問リハビリテーションなど、多岐にわたるサービス体制を持つ事業者は安心感があります。
また、一人ひとりの状態や希望に合わせてプランをカスタマイズできるかどうかもポイントとなります。このようなオーダーメイド型のケアは、利用者自身の満足度向上につながります。そしてスタッフとのコミュニケーションも欠かせません。
信頼関係を築くことで、不安なくサービスを受けられる環境作りが可能になります。さらに、緊急時にも迅速に対応してくれる体制が整っていることは、安全面でも非常に心強い要素です。このような視点から、自分自身または家族に最適な看護サービスを見極めましょう。
柔軟な対応と個別ケアの充実

サービス内容や時間帯の自由度

介護保険・医療保険が適用されない看護サービスを選ぶ際には、利用者のライフスタイルに合わせた柔軟な時間設定と多様なサービス内容が重要です。さらに、日中だけでなく夜間や早朝にも対応可能であることも重要です。
週末や祝日など通常営業外でもサポートしてくれるかどうかも確認ポイントとなります。このような自由度の高いスケジュール調整は、家族の負担軽減につながり、大きなメリットと言えるでしょう。そして、多岐にわたる専門的ケアを提供できることも大切です。
例えば、高齢者向けの日常生活支援から医療的ニーズへの対応まで幅広くカバーすることで、一貫したサポート体制を築けます。

利用可能な主な介護保険・医療保険外看護サービス一覧

自費訪問看護・リハビリテーション

介護保険・医療保険による訪問看護は、疾患や病態により所定の回数や時間が決められており、それを超える場合は適用されません。また、訪問看護を受けれる場所も自宅となっており、外出や宿泊先では対応されません。
まずは、提供されるサービスの内容や質、料金体系を詳細に確認しましょう。特に専門的なケアを必要とする場合は、その分野に精通した経験豊富なスタッフが在籍しているかどうかを確認することも大切です。
また、定期的な評価やフィードバック体制が整っている事業者は信頼性があります。これにより、継続して高品質なサービスを受けられる可能性が高まります。そして、自宅で安心して療養生活を送るためには、安全面への配慮も欠かせません。
自費訪問看護・リハビリテーション

お出かけ付き添いサービス

高齢者や障がいを持つ方の外出や旅行支援として、専門的な付き添いサービスがあります。これらは介護保険・医療保険適用外であるため、自費で利用することになりますが、その分柔軟性と個別対応に優れています。まず、信頼できる事業者を選ぶ際には、スタッフの資格や経験だけでなく、安全管理体制も確認しましょう。
お出かけ先や目的に応じたプランニングが可能かどうかも重要です。例えば、病院への通院から趣味活動、旅行まで、多様なニーズに応えられるサービス内容を提供しているか、移動手段などもチェックします。
料金については明確さと納得感が求められますので、見積り時点で詳細な説明を受けましょう。このように自分自身または家族の生活スタイルに合ったお出かけ付き添いサービスを選択することで、有意義な時間を過ごすサポートとなります。
お出かけ付き添いサービス

夜間・緊急時対応サポート

夜間や緊急時に特化した看護サービスを選ぶ際には、まず提供されるサポートの範囲と対応スピードが重要です。自費負担となりますが、その分迅速かつ柔軟な対応が期待できます。
緊急時に必要な医療的ケアへの理解度関係機関との連携についてが確認ポイントです。さらに、実績豊富なプロフェッショナルによる個別プランニングが可能かどうかも見逃せません。
このようなサービスでは、安全性と信頼性を重視しながら、ご自身またはご家族のニーズに合った最適な支援内容を検討することが大切です。そして料金体系については透明性が求められますので、契約前に詳細まで把握することがおすすめです。
保険外看護サービス社一覧

介護保険外看護サービス選びで失敗しないためのポイント

介護保険・医療保険が適用されない看護サービスを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。まずは提供事業者の信頼性を確認することです。口コミや評判、実績などを調べることで安心して利用できるかどうか判断できます。
契約前にチェックすべき事項として料金体系やサービス内容について詳細に理解し、不明点は必ず質問しましょう。このような準備を怠らないことで、自分や家族に最適な看護サービスを見つける手助けとなります。

提供事業者の信頼性確認方法

介護保険・医療保険が適用されない看護サービスを選ぶ際には、提供事業者の信頼性を確認することが重要です。まず、事業者の運営実績や看護経験、評判、ガイドラインに沿ったサービス提供を行っているかを調べることで、その信頼度を判断できます。
これまでの看護経験のない分野については、医療職であっても安心したサービスを提供できるとは限りません。たとえば、小児科での勤務経験しかない看護師が、高齢者の通院付き添いや看取り看護を保険外看護として行うことは、プロフェッショナルとしてのサービスを求めるには必ず知っておきたい情報だと思います。
インターネット上で口コミやレビューサイトを見ると、多くの利用者から寄せられた意見に触れることができ、参考になります。また、自治体や地域包括支援センターなど公的機関から情報を得る方法もあります。これらの機関は地元で活動している多くの事業者について知識がありますので、有益なアドバイスが期待できます。
そして、直接問い合わせてスタッフとのコミュニケーションを図りましょう。この過程で対応力や専門性について感じ取ることが可能です。このように複数の視点から総合的に評価することで、安全かつ安心して利用できる看護サービスを選択する手助けとなります。

契約前にチェックすべき重要事項

契約前に確認すべき重要事項として、まず料金体系の明確さが挙げられます。看護サービスは多岐にわたり、その内容によって費用も異なるため、事前に詳細な見積もりを取得し、不明点を解消しておくことが大切です。
また、提供されるケアプランについて具体的な説明を受け、自分や家族のニーズと合致しているかどうか慎重に検討する必要があります。次にスタッフの資格や経験についても確認しましょう。有資格者であることはもちろんですが、それ以上に実務経験豊富なスタッフが在籍しているかどうかは安心感につながります。
そして、緊急時対応能力にも注目してください。不測の事態への迅速な対応体制やサービス提供時に起こった事故発生時には事業者が加入する必要のある賠償責任保険などへの加入状況が整っていることで、安全性が高まります。
さらに利用規約には注意深く目を通し、キャンセルポリシーや変更手続きなど柔軟性について理解しておくことも欠かせません。このようなポイントを押さえることで、自身の状況に最適な看護サービス選びへとつながります。

医療費控除や自治体支援制度の活用法

介護保険・医療保険が適用されない看護サービスを利用する際、費用負担は大きな課題となります。しかし、いくつかの工夫や補助制度を活用することで、その負担を軽減することが可能です。まず、医療費控除自治体支援制度などの公的サポートを最大限に活用しましょう。
医療費控除は年間で一定額以上の医療費を支払った場合に所得税から一部が還付される制度です。この控除対象には、自宅で受けた訪問看護なども含まれることがありますので、領収書をしっかりと保存しておくことが大切です。
また、多くの自治体では、高齢者向けに独自の支援制度を設けています。これらは地域によって内容が異なるため、お住まいの市区町村役場や福祉事務所に問い合わせてみると良いでしょう。特定疾病患者への補助金や在宅ケアサポートプログラムなど、その地域ならではの手厚いサポートを受けられる可能性があります。
さらに、一部の民間団体でも高齢者やその家族向けに経済的な負担軽減策として寄付金付きサービス提供など行っています。それぞれ条件や申請方法が異なるため、情報収集と早めの準備がおすすめです。
医療費控除や自治体支援制度の活用法

長期的視点で考えるコスト管理

介護保険・医療保険が適用されない看護サービスを選ぶ際には、長期的なコスト管理が重要です。まず、自宅でのケアにかかる費用は短期間では見えづらいですが、積み重なると大きな負担となります。そのため、初めから予算を明確にし、それに基づいて必要なサービスを選定することが求められます。また、一度契約したサービス内容や料金体系についても定期的に見直すことで、不必要な出費を抑えることが可能です。
介護保険・医療保険、自治体のサービスでまかなえる部分もうまく活用し、それ以外の部分は保険外看護サービスを利用する。介護保険のプランは担当のケアマネージャーが作成します。療養の希望についてはしっかりと話し合い、公的サービスと保険外サービスを上手く組合わせてプランを考えてもらうことも必要です。
さらに、多くの民間企業や団体では、高齢者向けの割引プランやパッケージ提供がありますので、それらを活用して経済的負担を軽減する方法も検討しましょう。そして、家族全員で情報共有しながら計画的に進めていくことで、無理なく持続可能な在宅ケア環境を整えていくことができます。このようにして将来的にも安心できる生活設計につながっていきます。

まとめ

介護保険・医療保険が適用されない看護サービスを選ぶ際には、自分のニーズに合った柔軟な対応と個別ケアが可能かどうかを確認することが重要です。特に、自費訪問看護やリハビリテーション、お出かけ付き添いサービスなどは、利用者の生活スタイルに合わせた自由度の高いサポートを提供してくれます。
また、夜間や緊急時にも対応できる事業者であれば安心感も増します。信頼性のある事業者を選ぶためには、その実績や評判をしっかり調査しましょう。そして契約前には料金体系やサービス内容について詳細まで理解し、不明点は必ずクリアにしておきましょう。
さらに、医療費控除や自治体支援制度なども活用すれば経済的負担を軽減できます。このようなポイントを押さえることで、自身または家族に最適な看護サービスを見つけられるでしょう。

介護保険・医療保険がきかない看護サービス-よくある疑問

Q1. 介護保険・医療保険が適用されない看護サービスとは何ですか?
A. 介護保険・医療保険が適用されない看護サービスとは、日常生活支援や通院や外出、旅行の付き添い、介護医療保険制度上限になる訪問看護やリハビリなどで、全額自己負担で利用するものを指します。
Q2. どのようなケースで看護サービスが保険外(自費)扱いになるのですか?
A. たとえば、日数や時間数、自宅以外など自由に設定できる訪問看護やリハビリ、日常的な見守りや外出付き添い支援、介護タクシーの同乗など、一時的なけがや体調不良など介護認定対象とならない時でも看護サービスが必要な時などが該当します。また、高齢者や障害のあるかただけでなく、妊産婦、子ども、病児、健康管理目的に保険外看護サービスを利用することが可能です。
Q3. 保険外看護サービスを選ぶときのチェックポイントは何ですか?
A. 料金体系の明確さ、提供内容の具体性、スタッフの資格・経験、緊急時対応能力、事業者の信頼性(実績・口コミ)、保険外看護サービス提供時の保険に事業者が加入しているかなどを確認すべきです。
Q4. 保険外看護サービスを利用すると、費用負担を軽くする方法はありますか?
A. 医療費控除を活用したり、自治体の独自支援制度を調べたり、補助制度対象かどうかを確認することで負担を軽減できる可能性があります。JUNA基金など日本保険外看護サービス協会では独自の補助金を設定しています。
Q5. 夜間対応や緊急サポートが可能なサービスはありますか?
A. はい。24時間対応や夜間帯対応をウリにしている事業者もあり、緊急対応力・信頼性を重視して選ぶことができます。
保険外看護サービス社一覧

この記事を監修した看護師


姫田尚美(ひめだなおみ)
姫田 尚美 ❏日本保険外看護サービス協会(JUNA) 代表理事 看護師)
経歴:
1976年大阪府生まれ。国立循環器病センター、独立行政法人労働者健康安全機構関東労災病院、藤沢市民病院で勤務、訪問看護、健診業務、美容クリニック、介護福祉専門学校での非常勤講師を歴任。看護師、BLS認定資格、医療的教員資格、国内旅程管理主任者などの資格を持つ。2021年一般社団法人日本保険外看護サービス協会設立、代表理事就任。