【在宅医療Q&A】PART8 緊急時の対応とサポート体制 最終更新日:2024/11/19
在宅医療に関するQ&A集です。PART1からPART10まで計81問を掲載します。PART8では「緊急時の対応とサポート体制」に関する8問です。
Q57 緊急時の対応策はどのように計画されますか?
緊急時の対応策は、治療計画の一部として事前に計画されます。患者や家族、医療提供者が迅速に対応できるように、緊急時の連絡先や対応手順を明確にします。
例えば、急な症状の悪化や医療機器の故障などに対して、かかりつけ医や訪問看護ステーション、救急サービスとの連携体制を整えます。緊急時の対応策は定期的に見直し、必要に応じて更新します。
Q58 緊急連絡先リストには何が含まれますか?
緊急連絡先リストには、以下の情報を含めることが推奨されます。
・かかりつけ医の連絡先:診療時間外の連絡先も含めます。
・かかりつけ薬局の連絡先:診療時間外の連絡先も含めます。
・訪問看護ステーションの連絡先:担当看護師の直通電話番号。
・ケアマネージャーの連絡先:担当ケアマネージャーの直通電話番号。
・救急サービスの連絡先:地域の救急車や消防署の番号。
・バックベッドの連絡先:診療時間外の連絡先も含めます。
・家族や介護者の連絡先:常に連絡が取れる人を指定します。
・行政の連絡先(生保担当):担当の直通電話番号。
・医療機器レンタル会社の連絡先:機器の故障時に対応できるようにします。
Q59 緊急時の対応手順はどのように設定しますか?
個々の患者さんにより、手順や方法を前もって決めておきます。ファーストコールは訪問看護が多いですが、在宅医も対応します。
Q60 緊急時のサポート体制はどのように整備されていますか?
在宅医療では、緊急時のサポート体制が整備されています。在宅医療提供者と地域の医療機関や救急サービスが連携し、迅速な対応を行います。地域包括支援センターや地域の医療ネットワークを通じて、患者や家族に対する支援が提供されます。これにより、緊急時にも適切な医療ケアが受けられる体制が確保されます。
Q61 在宅医療における医療機器の故障時の対応は?
医療機器の故障時には、以下の手順にて迅速な対応が必要です。
①緊急連絡:機器のレンタル会社に連絡し、修理や交換を依頼します。
②代替手段の準備:故障時に備えて、代替の医療機器や手動での対応手段を準備します。
③記録と報告:故障の状況や対応内容を記録し、医師や看護師に報告します。
Q62 緊急時の心理的サポートはどう行われますか?
緊急時の患者や家族の心理的サポートは重要です。普段より医療介護のスタッフは信頼関係を作り身体的緊急時と同様に早急に対応します。可能であれば心理カウンセラーやソーシャルワーカーが連携し、精神的な支援を提供します。家族や介護者が冷静に対応できるよう、緊急時の対応手順やサポート体制について事前に準備しておき、安心感を持たせることが大切です。
Q63 緊急時の情報共有の方法は?
緊急時の情報共有は迅速かつ正確に行うことが求められます。最も早い方法は電話やSNS等ですが、それ以外に以下の方法が推奨されます。
・電子カルテの活用:電子カルテを活用し、患者の最新の医療情報を共有します。
・コミュニケーションツールの利用:電話やメール、専用アプリなどを活用し、医療提供者間で迅速に情報を共有します。
・定期的なミーティング:患者や家族を含めた定期的なミーティングを通じて、緊急時の対応状況や改善点を共有し、体制の強化を図ります。
Q64 緊急時の対応における地域のサポート体制は?
地域のサポート体制は、在宅医療の緊急対応において重要な役割を果たします。地域包括支援センターや地域医療ネットワークが連携し、患者や家族に対する総合的な支援を提供します。これにより、地域全体で患者を支える体制が整い、緊急時にも安心して在宅医療を受けることができます。
Q65 緊急時の対応訓練はどのように行われますか?
緊急時の対応訓練は、家族や介護者、医療提供者が協力して定期的に実施します。具体的には、以下の方法があります。
・シミュレーション訓練:実際の緊急状況を想定したシミュレーションを行い、対応手順を確認します。
・講習会の開催:専門家を招いて緊急対応に関する講習会を開催し、最新の知識や技術を学びます。
・フィードバックの実施:訓練後にフィードバックを行い、対応の改善点を共有し、次回の訓練に活かします。施設単位でのBCP作成に加え、今後は地域単位のBCP作成が望まれます。
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