訪問歯科で何ができるのか 最終更新日:2025/01/14

在宅医療のハブとなり活躍されているケアマネージャーさんへ「訪問歯科の今」を正しく、わかりやすくお伝えする「ケアマネさんのための訪問歯科講座」。
第4回は「訪問歯科で何ができるのか」のテーマにて、訪問歯科医が訪問現場で実際にできる治療できる疾患、そしてその治療法について解説しました。
第4回は「訪問歯科で何ができるのか」のテーマにて、訪問歯科医が訪問現場で実際にできる治療できる疾患、そしてその治療法について解説しました。
はじめに
ケアマネジャーの皆様は「訪問歯科」という言葉は聞いたことがあると思います。
実際にはどのような治療ができるのかご存じでしょうか?
実際にはどのような治療ができるのかご存じでしょうか?
今回は訪問歯科で実際に行っている治療についてお話していきたいと思います。
お口の中のトラブル、2大疾患について
お口の中のトラブルは大きく二つの病名があります。
虫歯と歯周病です。
虫歯と歯周病です。
虫歯
虫歯は歯自体に変化が起こる病気です。
虫歯になると、まず歯の白い部分であるエナメル質の部分が欠けてきます。
エナメル質のみでしたら、痛みはありませんが、エナメル質より下の黄色い部分を象牙質まで虫歯が達すると、冷たいものがしみてきます。
虫歯になると、まず歯の白い部分であるエナメル質の部分が欠けてきます。
エナメル質のみでしたら、痛みはありませんが、エナメル質より下の黄色い部分を象牙質まで虫歯が達すると、冷たいものがしみてきます。
さらに虫歯が進行すると、歯の神経にまで虫歯菌が侵食し、神経まで達すると、何もしなくても痛みが出てきます。
この状態ですと、温かいものでも痛みが出てきます。
神経が炎症を起こすと、歯の根っこの先にも膿がたまってきます。
この状態になると、毎回噛むと痛みが出てきます。
神経が炎症を起こすと、歯の根っこの先にも膿がたまってきます。
この状態になると、毎回噛むと痛みが出てきます。

さらに虫歯が進行すると、歯の白い部分が欠けてしまい根っこの状態(残根)になります。
残根になると、かみ合わせはなくなります。
虫歯の状態によっては、歯の形にも戻せますが、ほとんどの場合は抜歯になる可能性が高いです。
残根になると、かみ合わせはなくなります。
虫歯の状態によっては、歯の形にも戻せますが、ほとんどの場合は抜歯になる可能性が高いです。
残根は歯の形はないですが、汚れはたまります。清掃不良が継続すれば歯周病にもなります。

歯周病
歯周病は歯の周りの組織に影響がでる病気です。
最初は歯肉が腫れてきます。
最初の歯肉が腫れているだけの状態は歯肉炎と言い、この段階で適切な治療をすれば、元に戻る可能性が高いです。
最初は歯肉が腫れてきます。
最初の歯肉が腫れているだけの状態は歯肉炎と言い、この段階で適切な治療をすれば、元に戻る可能性が高いです。
歯肉炎の状態をそのまま放置してしまうと、歯を支えている骨がなくなってきます。
さらに放置すると、歯を支える骨がなくなってきます。
骨がなくなると、歯が揺れてきてしまいます。
歯周病がさらに進行すると、歯が抜けてきてしまいます。
さらに放置すると、歯を支える骨がなくなってきます。
骨がなくなると、歯が揺れてきてしまいます。
歯周病がさらに進行すると、歯が抜けてきてしまいます。

進行すると
虫歯と歯周病は進行すると、両方とも歯がなくなります。
多くの原因はプラーク(歯垢)が取り切れていないことがあげられます。
プラークの状態であれば、歯ブラシでとることができます。
プラークは物理的に清掃しないととることができません。
多くの原因はプラーク(歯垢)が取り切れていないことがあげられます。
プラークの状態であれば、歯ブラシでとることができます。
プラークは物理的に清掃しないととることができません。
プラークが残ったままになると、唾液の成分とあいまって歯石になります。
歯石になってしまうと、歯ブラシで除去することはできません。
歯科医院にて専門的な道具で除去するしか方法はありません。
歯石になってしまうと、歯ブラシで除去することはできません。
歯科医院にて専門的な道具で除去するしか方法はありません。
つまり、歯石になっているところ、虫歯・歯周病になっているところは、歯ブラシが日ごろから当たっていないことがわかります。
治療によって
治療により歯の機能としては回復します。
歯が欠けたところは、金属や白いかぶせ物で修復します。
歯が欠けたところは、金属や白いかぶせ物で修復します。
かぶせ物をすると、歯ブラシを当てなくてよいと思われている方が少なからずいらっしゃいます。
かぶせ物をしているということは、自分の歯がのこっているということになります。
かぶせ物をしても、しっかり歯ブラシを当てないと、再度虫歯と歯周病になります。
かぶせ物をしているということは、自分の歯がのこっているということになります。
かぶせ物をしても、しっかり歯ブラシを当てないと、再度虫歯と歯周病になります。
歯が抜けてしまったところには、保険診療であるならばブリッジや入れ歯を入れて対応します。


歯科訪問診療で行える治療
歯科訪問診療で行える治療は
・虫歯治療
・歯周病
・抜歯
・入れ歯の作成・修理
などに対応することができます。
虫歯治療
削って白い樹脂をつめて、金属のかぶせ物を詰めていきます。
上記でのべたように虫歯は進行すると神経まで達ししていることもあります。
その場合は、神経を除去する治療も行うことも可能です。
訪問先でエックス線撮影をすることも可能です。
上記でのべたように虫歯は進行すると神経まで達ししていることもあります。
その場合は、神経を除去する治療も行うことも可能です。
訪問先でエックス線撮影をすることも可能です。
エックス線に関しては、小さいフィルムと大きなフィルムのものがあります。
大きいフィルムのエックス線が見たい場合などは、歯科医院にいらしていただき撮影する場合もあります。
大きいフィルムのエックス線が見たい場合などは、歯科医院にいらしていただき撮影する場合もあります。

歯周病
歯石を除去したり、専門的口腔ケアを行います。腫れている部分には薬で対応する場合もあります。あまりにも揺れが大きくなった歯に関しては抜歯を行うこともあります。
歯周病は進行すると出血を伴います。
歯周病は進行すると出血を伴います。
脳梗塞の治療や予防で血液がサラサラになる薬を飲まれている方がいらっしゃいます。
「出血すると血がとまらなくなるので、歯ブラシを当てないようにしている」という方が多くいらっしゃいます。
歯の汚れであるプラーク(歯垢)は歯と歯肉の境目に多く残ります。
その部位に歯ブラシをあてないと、さらに歯周病が進行します。
最悪の場合は炎症が継続して起こり続けているため、自然出血を始めます。
正しい位置に歯ブラシを当てることができないと、結果歯周病がわるくなるだけです。
出血を心配されている方こそ、定期的に歯科医院に通院し歯周病の治療をすることをお勧めします。
その部位に歯ブラシをあてないと、さらに歯周病が進行します。
最悪の場合は炎症が継続して起こり続けているため、自然出血を始めます。
正しい位置に歯ブラシを当てることができないと、結果歯周病がわるくなるだけです。
出血を心配されている方こそ、定期的に歯科医院に通院し歯周病の治療をすることをお勧めします。
抜歯
抜歯は行うことが可能です。ただし全身の病気により抜歯を行うことが難しい場合もあります。
抜歯が難しい場合は、大学病院や病院歯科に紹介して抜歯をしていただく可能性もあります。
抜歯が難しい場合は、大学病院や病院歯科に紹介して抜歯をしていただく可能性もあります。
入れ歯の作成・修理
入れ歯は作ることが可能です。入れ歯の修理に関してですが、真っ二つになっている状態なら、元に戻すことが可能な場合が多いです。
入れ歯は真っ二つになりましたら、ご自身で修理しようと思わないでください。
特に瞬間接着剤でつけて対応しようとする方いらっしゃいますが、やめていただきたいです。
特に瞬間接着剤でつけて対応しようとする方いらっしゃいますが、やめていただきたいです。
間違った場所でつけてしまうと、かみ合わせが全く合わなくなってしまいます。
入れ歯の割れ目がしっかりわかる方が、歯科医師としては治療しやすいです。
入れ歯の割れ目がしっかりわかる方が、歯科医師としては治療しやすいです。
一度割れてしまった入れ歯は、再度割れてしまう可能性が高いです。
基本的には新しく作り直すことをお勧めいたします。
基本的には新しく作り直すことをお勧めいたします。
自費か保険か
番外編になりますが、自費で作るのか保険で作るのかを悩まれると思います。
自費と保険の大きな違いは、材料です。
自費と保険の大きな違いは、材料です。
保険で使用できない材料を選択する場合は、自費で作成することになります。
歯科訪問診療を受けている方に関しては、筆者の意見としては保険で作成することをおすすめします。
理由としては、保険の入れ歯ですと修理はしやすいからです。
高齢になると、さまざまな原因により入院される可能性が高いです。
理由としては、保険の入れ歯ですと修理はしやすいからです。
高齢になると、さまざまな原因により入院される可能性が高いです。
例えば誤嚥性肺炎になると5~10kg体重が減ることがあります。
体重が減少すると、入れ歯も合わなくなります。
体重が減少すると、入れ歯も合わなくなります。
その場合は、自費で作った入れ歯に関しては、自費で修理が必要になります。
そうなると、再度自費で入れ歯を作る可能性もでてきます。
そうなると、再度自費で入れ歯を作る可能性もでてきます。
最後に
以上から、皆様が外来で通院されている治療を歯科訪問診療で受けることが可能です。
なお、歯科医院により対応できる治療が限られている場合がありますので、わからないことがありましたら、歯科医院に相談してみてください。
なお、歯科医院により対応できる治療が限られている場合がありますので、わからないことがありましたら、歯科医院に相談してみてください。
関連リンク:
執筆:

池川 裕子(いけがわゆうこ)
医療法人社団煌道会 出張歯科四つ木 院長
〒124-0011 東京都葛飾区四つ木二丁目18番2号 アプト船橋204
TEL:03‐6745‐8893
TEL:03‐6745‐8893
歯科訪問診療は以前より耳にするようになりました。
しかし、実際に何を治療してもらえるのか?どの医院を選べばいいのか?など
わからないことが多いのではないでしょうか?
ケアマネジャー様に向けて、歯科訪問診療の内容や申し込方法までわかりやすくお伝えしたいと思っております。
しかし、実際に何を治療してもらえるのか?どの医院を選べばいいのか?など
わからないことが多いのではないでしょうか?
ケアマネジャー様に向けて、歯科訪問診療の内容や申し込方法までわかりやすくお伝えしたいと思っております。