【訪問看護Q&A】PART2 訪問看護の利用方法 最終更新日:2024/11/19
訪問看護に関するQ&A集です。PART1からPART8まで計74問を掲載します。PART2では「訪問看護の利用方法」に関する12問です。
Q9 訪問看護を利用するための基本的なステップは何ですか?
訪問看護を利用するための基本的なステップは以下の通りです。
①相談:主治医やケアマネジャーに訪問看護を利用したい旨を相談します。利用者の健康状態や介護の必要性に基づいて、医師が訪問看護の必要性を評価します。
②訪問看護指示書の交付:主治医が訪問看護の必要性を認めた場合、訪問看護指示書を発行します。この指示書がなければサービスを利用することはできません。
③訪問看護ステーションとの連絡:訪問看護ステーションに連絡し、サービスの内容やスケジュールを調整します。利用者の状態に応じて、訪問頻度や時間が決まります。
④契約:具体的なサービス内容や費用を確認し、契約を結びます。契約時には、料金やサービス内容について十分に説明を受けることが重要です。
⑤サービス開始:計画に基づいて訪問看護が開始されます。定期的な訪問が行われ、必要に応じて緊急対応も行われます。
Q10 訪問看護指示書はどのように取得しますか?
訪問看護指示書は、主治医から取得します。患者の健康状態や治療計画に基づき、訪問看護の必要性を評価した上で、医師が発行します。週3回までの訪問看護が可能となります。
主治医が診察に基づき、患者が急性感染症等の急性増悪期、末期の悪性腫瘍等以外の終末期、退院直後で「週4日以上の頻回の訪問看護の必要がある」と認めた場合には特別訪問看護指示書を発行します。特別訪問看護指示書は基本的には月一回の発行です。
Q11 訪問看護ステーションの選び方は?
訪問看護ステーションを選ぶ際には、以下のポイントを考慮します。
・提供されるサービス内容:必要な医療ケアが提供されているか確認します。緊急対応の可否などを確認します。
・スタッフの専門性と経験:看護師や理学療法士の資格や経験を確認します。
・アクセスの利便性:自宅と訪問看護ステーションとの距離も重要です。緊急時に迅速に対応できるかを確認します。24時間対応の確認も必要です。
・口コミや評判:他の利用者からの評価や口コミを参考にします。また、事業所の見学を行うことも有効です。
Q12 訪問看護のスケジュールはどのように決められますか?
訪問看護のスケジュールは、患者の健康状態やニーズに基づいて決定されます。ケアマネジャーが作成したケアプランや医師の指示に基づき、訪問回数や時間が設定されます。
介護保険の場合、週1~2回の訪問が一般的ですが、医療保険を利用する場合は週3回が上限です。特別訪問看護指示書が発行されると、より頻繁な訪問(週4回以上)が可能となります。
Q13 訪問看護の契約手続きは?
訪問看護の契約手続きは、訪問看護ステーションとの間で行います。具体的なサービス内容、費用、訪問スケジュールなどを確認し、契約書に署名します。契約前には、サービス内容や料金について十分に説明を受け、疑問点を解消しておくことが重要です。
Q14 訪問看護の費用はどのように支払われますか?
訪問看護の費用は、介護保険または医療保険でカバーされます。自己負担額は一般的に1割から3割で、具体的な費用は訪問時間や提供されるサービス内容によって異なります。
例えば、介護保険利用の場合、20分未満の訪問で約300円、1時間半の訪問で約1000円が自己負担額の目安です。高額療養費制度も利用できるため、月額の自己負担額が一定額を超えると払い戻しが受けられます。
Q15 訪問看護の緊急対応は?
訪問看護ステーションの88.3%*1が24時間対応体制をとっています。緊急時には24時間対応の窓口に連絡し、必要な医療ケアを受けることができます。緊急対応が必要な場合は、契約時にその旨を確認し、対応方法を把握しておくことが重要です。
[参考文献]
Q16 訪問看護の利用時に必要な書類は?
訪問看護を利用する際には、以下の書類が必要です。
訪問看護指示書:主治医から発行される指示書
健康保険証:医療保険や介護保険の適用を確認するため
介護保険証:介護保険を利用する場合
その他:必要に応じて、特定疾病受給者証など
Q17 訪問看護を利用する際の相談窓口は?
訪問看護を利用する際には、以下の窓口に相談できます。
かかりつけ医:訪問看護の指示書を発行してもらうため、地域連携室のある施設では同室。
ケアマネジャー:ケアプランの作成やサービスの調整を行うため。
訪問看護ステーション:具体的なサービス内容や契約手続きを相談するため。
地域包括支援センター、市区町村の福祉課:総合的な相談窓口として利用可能。
Q18 訪問看護の開始までの期間は?
訪問看護の開始までの期間は、相談から実際のサービス開始まで通常1~2週間程度です。具体的なスケジュールは、患者の状況や訪問看護ステーションのスケジュールによって異なります。
相談後、迅速に手続きを進めることで早期にサービスを開始することが可能です。入院中であれば、入院中に相談すれば退院直後からの利用も可能です。
Q19 訪問看護の頻度と時間の制限はありますか?
医療保険を利用する場合、訪問の頻度は通常週3回まで、1回の訪問時間は90分以内と制限されています。
介護保険を利用する場合は、限度額以内であれば頻度に制限はありませんが、サービス提供時間は個々のケアプランによります。特別訪問看護指示書が発行された場合には、これらの制限が解除されることがあります。
Q20 訪問看護の利用時の注意点は?
訪問看護を利用する際の注意点として、以下の点が挙げられます。
訪問頻度と時間の確認:保険の種類や個々のケアプランに基づく訪問頻度と時間を確認します。
スケジュール変更への対応:体調変化や緊急時にはスケジュールの変更が必要となるため、柔軟に対応できる体制を整えます。
情報共有:訪問看護師と家族、医師との間で情報をしっかり共有し、適切なケアを提供することが重要です。
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